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未定  作者: 大倉
魔術に関して
33/36

霧を裂いて:魔法陣

…恐らくだが、突入してから一切時間が進んでいない。時間に干渉する魔術もあるが…多分、それじゃない。


これを出来そうなのは…【夢追い人(セトラ・リーム)】だろうか。認識散逸、昏倒、飛行…その他にも様々な事が出来るらしい。なら、空間への干渉も出来る可能性は高い。


…あの妙な衝撃は、大方凜が何らかしらの魔術を使ったのだろう。それが空間への干渉を突破して私を押しのけた……


つまり、相応の出力を出せば突破出来る。…問題は、私にその()()が出せるかどうか…




何にせよ、試してみないと始まらない。




再度霧を割き、内部へ入る。…壊したはずの建物が壊れて無い。…断定して良いな。


恐らく、私たちは()()()()()に飛ばされた。侵入後に分かれたのは、転移で入ってきたから…


「と言う所か?」


…誰かが私の言葉を聞いている。が、返答はない。


さて、ここからが問題だ。空間を破る出力…煤を振り回してもそれは叶わないだろう。なら……やってみるしかない。




ありったけの魔力を捻出しつつ、煤の力を取り込んでいく。




「――星灯」




黒い装束が出てきた。…煤を逆手に持ち、地面に向けて――突き立てる。そして、ひび割れていくように足元が崩れていった。













眼下では、橙の魔方陣が煌々と光っている。それに、複数の気配もする。…装束はあまり長く持たない、早いうちに片を付けたいが……


『――渚さん、聞こえますか?』

「怜?」

『良く来てくれました。最高のタイミングです。』

「それは何より。で、私は何をすればいい?」

『そうですね……魔法陣の破壊を、お願いできますか?』

「了解。そっちは良いのか?」

『…はい。問題ありません。』


魔法陣の破壊か……とりあえず、形を崩してみるか?


地面に降りると同時に、煤で魔法陣を滅多切りにしていく。…光が少し薄くなってきた、この調子…か?






……魔方陣から、完全に光が消えうせた。その間、一切の妨害が無かった……どういう事だ?


「――ちっ」


装束が切れた。一応動けるが、少し眩暈がするな……この状態で戦えるか?一度離れ……?


…動けない。体が動かない訳じゃない、足が地面から離れない……


『この祈りを聴く者よ。魔力の奔流を生み出した祖よ。我らの祈りを聴き給え。』

『Hanc precationem audi, o qui preces excipis.』


これは……詠唱?


『魔力の奔流を生み出した祖よ。我らの祈りを聴き給え。』

『O genitor qui fluctum magicae potentiae effudisti, preces nostras exaudi.』


……魔法陣が再び光始めた。色が違う……金色。


『我らは既に消えた者、消え往く者。』

『Nos iam sunt qui deletī sumus, qui delendi sumus.』


「こんにちは。お嬢さん。」

「…誰だ。」

「おや、凜と奈義から聞いていませんでしたか?」

「……ああ、先代か。」

北螺(ほくら)、と申します。覚える必要はありませんよ。」


『未だ現に残る流離人。未だ彼岸は遠い彼方。』

『errantes adhuc in hoc mundo relicti. Adhuc procul est ora ulterior;』


…随分と老けている。年齢を知らないから何とも言えないが……


「ここ十年程、ここに閉じこもっていましたからね。」

「……こうして私が動けないでいるのは?」

「私の所為ですよ。」

「…目的は?」


『されど此岸は、未だ我らの帰る場所。』

『sed haec ora—nostrum quondam.』


「…彼らを、呼び起こす為です。」

「……その為に、何人を巻き込んだ。」

「魔術局。それ以外は貴方達だけです。」


『なれど、帰り路も閉ざされた。』

『domicilium—nobis clausa est.』


――体の魔力が減り続けている。まさか、私を……


「宝石があれば、貴女を巻き込む必要は無かったのですが。」

「…宝石?」

「宝石は魔力を含んでいますからね。裏世界と関係しているのでしょう。」


『ならば、この路を開こう。死した我らは、死した彼には屈しない。』

『Si via clausa est, hanc viam aperiemus. Mortui non succumbemus mortuo.』


「…私の魔力でこの魔術を動かしているなら、私から干渉する事だって出来るんだろ?」

「それは貴女自身が一番良くわかっているのでは?」


…無駄か。


『この願いを聴く者よ。始まりの虚無から生まれた者よ。我らの願いはただ一つ。』

『Hanc voluntatem audi, o qui ex primigenio nihil ortus es. Una est voluntas nostra.』


「私以外は無事なのか?」

「ええ。怜は少し利用しましたが、凜は寝かせているだけですよ。」

「…私以外と言った。」

「ああ、アウトサイダーの人達は貴女が来た時点で上に返しました。魔術を使えない人は邪魔ですから。」


『輪廻の道は開かれた。』

『Iter circuli vitae patet. 』


「…で、一体何を回復するつもりなんだ?」

「神です。」


『死した私は眠りに就き、死した私は最初の目覚めに手を伸ばす。』

『Mortuus ego in somnum recumbo; mortuus ego ad primum experrectum manum porrigo.』


「…へえ。」

「真実ですよ?これから、貴女も見る事になりますし。」


『【厄災】をもって【祝福】を齎そう。』

『Per calamitatem benedictionem afferemus.』


「……はっ、」


…寒い。


「すいませんが、持っている魔力は全て使わせてもらいます。」

「何を……」

「禁術の一つですね。以後魔術が使えなくなる代わりに、一部系統の出力を上げるものです。」


『――【輪廻の祈祷(オメガフレイア)】』


「さあ、始まりますよ。」

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