分かれ道、道の先でまた
「…ふう。」
大天使は死んだ。…後何体程いるのかはわからないが、少しでも減ったのはいい事だろう。後は……
「後処理か。」
闇に侵食された地上に降りる。…前の状況から考えるなら、闇に煤を刺して、それから引き抜けば、闇を煤が取り込んでくれる……はず。
「…頼むぞ。」
煤を侵食された地面に突き刺す。……抜けなくなった。これなら問題なさそうだ。
「――【拡大】」
………まあ、前よりは楽に抜けるだろ。実際、少しずつではあるが抜けてきている。それと同時に、周りの侵食も引いてきている。
「だ、大丈夫!?」
亮さんが駆け寄ってきた。…まだ少し危ないんだがな。
「亮さん、今はまだ離れてて。」
「えっと…それは?」
「これは…まあ、私の刀だ。」
「さっき見てたけど、地面をくり抜いて……」
「…できれば、他言無用で頼む。特に…ブエル達には。」
「……何か事情が?」
半分ほど、煤が抜けた。
「そんな所だ。ソーゲム関連…とだけ。」
「ああ……なるほどね。」
辺り一帯の侵食が消えてきた。
「――そろそろか。」
……最後の闇が煤に吸われた。と同時に、煤が完全に地面から抜けた。
「体に不調は無い?」
「……問題ない。それより彼女を……」
「凜さんの事?」
……そういえば、名前聞いてなかったな。
「さっき魔力切れ起こしてたから、安全圏まで逃がしたが…」
「大丈夫、さっき回収したよ。魔力切れは魔術で治せないから、当分は寝てるだろうけど。」
「…なら良かった。」
…この件は、彼女が起きてから聞いてみるか。
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「―――!」
…病室か。
「お目覚めの様ですね。」
「怜………大天使は!?」
「凜様のお連れの方が止めを刺しました。少々、イレギュラーな事態こそ起きましたが、大事には至らなかったようです。」
「…名前、聞いてなかったな……」
「なら、自己紹介でもしようか?」
…顔を覗き込まれた。
「…どうしてここに?」
「……直談判、って奴だな。」
直談判?
「…私を魔術局に入れてくれないか?」
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…私は、ここにいるべきじゃない。もっと、違う場所にいるべきだ。…今後も大天使とは何度か相対するだろう。だが、その度に煤を使わないで勝てる気がしない。それに、アウトサイダーが思いの外……強くなかった。……何か事情はあるんだろうが、それとこれとは別問題だ。
私がいて何か変わるか…と言われると微妙かもしれないが、居ないよりかは良いだろ。それに、魔術局にも興味がある。もしかしたら、何か新たにわかる事があるかもしれない。
…居心地は良かったが、それにばかり浸っていては、先へは進めない。
「…話がある。」
「……随分と急だが、何かあったのかい?」
「…私は、ここを抜けようと思うんだ。」
バルバトスが少し驚いた様な顔をした。…そりゃそうか、何の前触れもなかったんだから。
「……ま、俺達は去る者は追わず来る者は拒まず、ってスタンスではあるが……」
「なら決まりだな。改めて……今まで、お世話になりました。」
「…そう頭を下げんな。嬢ちゃんが決めた事だ、俺は反対しないが……二人にも、別れぐらいは言いな」
「――そのつもりだ。」
「――という訳だ。それじゃ、またどこかで。」
「え?」「は?」
「冗談だ。だが、ここを抜けるのは本当だぞ。」
「随分と急に……」
「ウァサゴがいじめるから」
「俺は何もしてないだろ。」
「……大丈夫だ、二人のせいじゃない。私個人の問題だ。」
「で?ここを抜けてどこに行くつもりなんだ?」
「当面はヘイヴンに留まるつもりだ。」
「…体に気を付けて。」
「ブエルもな。」
「…それじゃ。」
星が煌めいた。
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星が煌めいた。
「…静かになったな。」
「人数減ったからね。」
「……まあ、これで本来の目的を果たせる…かな。」
「つまり、これからは本格的に俺達と連携していく…という事ですね。」
「ま、そうなるなぁ。」
「…次は、オレスタルか。」
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「…正直ありがたいけど、本当に抜けて良かったの?」
「問題ない。」
まだ、どこか一か所に留まるのは早い。
「……後悔が無いなら良いわ。」
「それじゃ、これからよろしく。」
ピュー プーピー
「?」
「…せっかくなので。」
もう一人…確か、怜と言っていたか?…が、笛…?とサングラスを着けた……随分と、陽気な恰好になっていた。いつの間に……
「…それじゃ、改めて自己紹介でもしましょうか。」
「改めまして、私は日種 凜。魔術局の現局長です。」
「…ほら、怜も。」
「佐月 怜です。何かあれば僕に。」
「渚だ。これからよろしく。」
「苗字は?」
「…さあ?」
「……嘘じゃないぞ、無いものは無い。」
笛:吹いたら丸まった紙が伸びる奴 今回は三つぐらいに分岐してる




