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未定  作者: 大倉
はぐれ者の旅路
16/26

ならず者

「【鎌風(クイスト)】」


"見えない"斬撃を弾く。相手の背後に【五つの星(ステラ・カシオペヤ)】を配置……見もせずに避けられた。…読まれてるな?


…座席が邪魔、天井が邪魔、壁が邪魔……障害物が多すぎる。碌に刀も振れない。


再度飛んできた見えない斬撃を辺りに浮かせている武器で弾く。【星海を越えて(アストラルブリンク)】で距離を詰めて接近戦に…向こうも同じく【星海を越えて(アストラルブリンク)】で車両の反対側へ移る。…閉所じゃないなら、まだやりようはあるんだが……


「戦うにしては、少し狭いと思わないか?」

「そういう場所を選びました。ヴィグラントでも、このような戦闘は不慣れでしょう?」

「……なら、少し手を加えさせて貰おう。【星は先へ(アストラルレイ)】!」


私と反対側にいる彼の足元に()が開く。…少し発動が遅い、実践向きじゃないな。




無事、セントラルの駅構内に飛べた。初めて発動したにしては悪くない。



「…ここも大概閉所では?」

「自由に刀が振れるなら、どこだろうと問題無い。」


格納庫から、"黒い"刀を取り出す。


「随分と黒いですね、塗装でもしたんですか?」

「そんな所だ。」


構内に人が居なかったのは幸いだな。巻き込まないで済む。


==========(十数分前)===========




鉄道がやってくる駅に着いた。吹き抜けになっていて、案外明るい…が、


「なんか……思っていたより小さいな。」

「そりゃあね。乗り換える訳でもなし、沢山人が来るわけでもないしね。」


時刻表を見ると…おや、もう来―――


「相変わらず速いねー」


――突風と共に、細長い列車がやってきた。あの速度でなんで減速できたんだ今。…見た感じ、六両編成か。


「…仮にも乗り物の速さじゃないだろ。」

「まあ、魔術使ってるからね。」

「じゃあ、魔術師が乗ってるのか?」

「いやいや。魔力回路を人工的に再現した「術式回路」ってのを使ってるの。高価だけどね。」

「ちなみにこの列車には何の魔術が使われてるんだ?」

「えーっと…駆動用の【雷】と速度用の【風】かな?私も詳しいわけじゃないから、もっと使ってるかも。」


「二人とも、乗るぞ。」

「はいは~い」


列車に乗り込んだ。…私達以外に乗客はいないようで、とても静かだ。


「…人の気配すらしないのか。」

「うろ覚えだが、確か無人運転だったはずだ。」


…地下を通るだけだから、事故の心配も無いんだろうか。




少し経ち、列車が走り出した。あの速度で走っているというのに、内部は案外快適だ。…これも魔術のおかげなんだろうか?私には分からないが。


…静かだ。超高速で走っているのに、とても静かだ。……ブエル達は寝てしまったか。セントラルに着くまで…20分程度か。暇だし…第六感の練習でもしてみるか?




車両を移動して、ウァサゴに教えてもらった事を思い出してみる。


『第六感は…元よりある物を増幅させる事が全てだ。感とか、膂力とかな。』

『一部の技には詠唱があるが、効果は…まあ、地味だな。』

『だが、本人の技量次第で幾らでも拡張できる。そこら辺は、お前の努力次第だ。』


『俺が教えられる事は…特に無いな。実戦の相手ぐらいか?』

『…あ?思考盗聴のやり方?これはな…教えられる物じゃない。それに大して便利でもないぞ。』

『まあ、お前は結構素質ある方だ。念のため、俺の感覚は教えとく。』


――ウァサゴ曰く、頭の回線を開いて、相手の周波数に合わせる……ウァサゴはこれが勝手に発動しているらしいが………?お、何かを感じている…ような気がする。これは…感情か?




この感情…ブエルやバルバトスのじゃない、これは…外から?


=====================


それを察知した直後、こいつ等が乗り込んできた。他はただのアウターの様だったのでウァサゴ達に任せたが…こいつ、魔術師か?


「で?結局お前達は何なんだ?」

「…まあ、"ならず者"と言うところです。」


…?何かが…飛んでくる!


「襲撃のっ!理由は!?」


相手が撃ってきた…何かを避けつつ、弾く。…弾いたのに音がしない、魔術か?


「理由はですね…」


……思念が…流れ込んで……っ!?頭が…痛い…


「おや、逆流に耐性があるんですか。」

「…何した」


悪意…じゃない?…私を試した?


「常に回線を開くのは悪くないですが…関心はしません。」

「…ご親切にどうも」


「…あなたに敵意が無いのは何となくわかった。それに、この襲撃にもそれなりの理由があるのもわかった。だが、もっとやり方があるんじゃないのか?」


また、思念が流れ込んで……


「…なるほど、それじゃ駄目だったんだな。」

「理解して頂き何よりです。」


……神仰宗、私はまだ深く事情を知らないが、かなり根深い件の様だ。


「…お前な」


ウァサゴ?


「こんにちは。ウァサゴさん」

「さんは要らないだろ、"ベリアル"。…最近どうだ?」

「上々です。神仰宗の宣う"聖遺物"…まあ、殆どはガラクタですが…の強奪等が主ですね。」

「…言えない事も大概してるか?」


…また思念が……あれ、止まった?


「こいつに聞かせるな。」

「…回線の閉じ方ぐらい、教えたらどうですか?」

「………」


……ウァサゴが何かを言おうとして……いや違う、思念か。……だめだ、読み取れない。


「…お前限定か。」

「俺の送る思念は特別強いですしね。となると…彼女、あまり受信が得意では無いようですね。」

「お前の思念が強すぎるから、こいつの回線がざるになっただけだろ。」

「…なら、俺が責任もって閉じ方を教えます。」


「…開いた蛇口を閉めるように、机の隙間を埋めるように…そんなイメージでやってみてください。」


少々難解だが、言いたい事は分かった…気がする。……こうか?


「お見事です。…ウァサゴさん、もしかして感覚で教えました?」

「…だから、俺は教えるのに向いて無いと言ったぞ。」


……言ってたか?


「」


ウァサゴが柱に突っ伏した。…言ってなかったのか。少なくとも私には。

文明レベルは現代より部分的に先行ってる "部分的"に


ちょっと頻度落ちます

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