↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/89

洞窟の主 (2)

2匹のゴブリンが同時に飛びかかってきた。

まるで放たれた狂犬のように。

重い骨の棍棒を振り上げ、その重力で相手を押し潰す気だった。


その叫び声は、荒々しく、獣の咆哮だった。

理性など見えない。ただ――飢えと欲望。


—「隙だらけだ……!」


俺は右へ転がるように回避した。

1匹のゴブリンの一撃は外れ、骨の棍棒は地面に当たって土と小石を撒き散らした。


もう1匹は――

運が悪かった。


起き上がると同時に足を踏み込み、俺は手に持つ針を前に突き出した。

針の穴に指を通し、残りの手で自然に角度を制御する。


そのまま――


グサリッ。


針の先端がゴブリンの胸に突き刺さる。

悲鳴はない。出す暇もなかった。


肋骨を砕き、肺を貫き、背中から突き抜ける。


俺は体重をかけて押し出し、ゴブリンの体は地面に崩れ落ちた。

最後の痙攣のあと、動かなくなる。


その瞬間、視界にウィンドウが浮かび上がった。



---


《縫合(EX)– 自動評価》


「名前:ゴブリン(♂)

レベル:2

HP:0 / 40

STR:12 / VIT:8 / AGI:14 / INT:4

スキル:

▷ 野蛮な突撃

▷ 部族の咆哮

魔法適性:なし」



---


(よし……ステータスが見えれば、こちらも対応できる。)


だが、勝利に浸る暇はなかった。


空気を切る音。

投擲――槍だ。


—「チッ!」


なんとか避けたが、服の袖が裂けた。


視線を飛ばす。

槍を投げたのは、ゴブリンの槍使い。


もう静止してはいなかった。


まるで最初から計算していたかのように、ゆっくりと立ち上がる。

そして倒れた仲間の傍へ歩き、その棍棒を拾い上げた。


また、視界にウィンドウが浮かぶ。



---


《縫合(EX)– 自動評価》


「名前:ゴブリン・リーダー(槍)

レベル:3

HP:58 / 58

STR:11 / VIT:10 / AGI:15 / INT:8

スキル:

▷ 役割変更

▷ 本能的分析

▷ 部族の咆哮

魔法適性:???」



---


(こいつは……ただの雑魚とは違う。

力は並だが、頭が働く。

戦術を変え、こっちの行動を読み取ろうとしてる……!)


背後にいるイレーネは、大きな石を両手で持っていた。

震えるような瞳――だが、手は緩めない。

動かない。ただ、待っている。


(――一手間違えれば、俺が食われる。

もう一手遅れれば、デザートとして差し出される。)


ゴブリンの棍棒が振り下ろされる。

ギリギリでかわし、距離をとる。


わずかな隙間――それしか動ける空間はなかった。


—「チッ……面倒な連中だ!」


休む暇もない。


針で突き刺すような小さな攻撃しかできず、

ゴブリンの体には、血のにじむ穴がいくつも開いていた。

だが――倒れない。


そして、槍を投げたリーダーは……

冷静に俺の動きを見て、次の一撃の機会を伺っている。


まるで俺の"型"を読むかのように。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。