呪い…!
俺は浮かび上がった画面に表示された
「特殊状態:▶ 成長の呪い」
という文字をクリックした。
その瞬間、詳細な情報が目の前に展開された。
信じられなかった。
イレーネが……呪われていたなんて。
思考が暴走する。
いつの間にか、眉間に深くシワが寄っていた。
怒りか、無力感か、それとも両方か。
そして、表示されたステータスはこれだった。
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イレーネのステータス
名前: イレーネ
種族: ヒューマン(隠)
推定年齢: 9歳
魔法適性: ???
レベル: 1
アクティブ/パッシブスキル: なし
特殊状態: ▶ 成長の呪い
「裁縫」(EX)による個人データ:
身長: 126cm
体重: 23kg
衣類サイズ(推定): 子供用120
体型: 栄養不足
異常: 魔力干渉による身体発達の停止
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さらに「▶ 成長の呪い」をタップすると、詳細が表示された。
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▶ 成長の呪い
> 闇属性に分類される高度な禁術による呪い。
効果:
身体および精神的成長の完全停止
スキルの習得不可
レベルアップ不可能
魔法検知系アイテムに反応しづらい
15歳になるまでに解除しない場合、致命的な身体崩壊を引き起こす
解除方法:
高位の聖属性/神聖魔法による浄化
高レアリティの「万能薬」または「呪い解除ポーション」
呪いをかけた元凶の討伐
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「クソッ……」
俺は歯を食いしばった。
言葉もなく、イレーネに近づいた。
彼女はまだ寝ていた――あるいは寝たふりか。
そっと抱きしめた。
俺の手が、彼女の髪を優しく撫でる。
—「イレーネ。ひとつ聞いていいか?」
声を潜めて尋ねた。
—「身体に……変な印とか、ないか?」
彼女は一瞬だけ考え、そして静かに頷いた。
黙って身を起こし、着ていた自然の葉のドレスを少しめくる。
背中の下部――
そこに“それ”はあった。
闇に染まったようなマーク。
五芒星に似た形の中に、歪んだドクロの模様。
まるで肌に焼き付けられたような、あるいは針で縫い込まれたような――
不気味な“印”だった。
視界が揺れた。
——教会は無理だ。
俺はもう貴族じゃない。ただの無名の放浪者。
コネも金もない。
錬金術師なんて知り合いもいないし、レアなポーションが並ぶような店に入る余裕もない。
残る選択肢は……
呪いをかけた本人を倒すこと。
でも俺は、まだゴブリンにさえギリギリ勝てる程度だ。
武器もない。
あるのは、ただのミスリルの破片だけ。
目の前の少女には、あと6年の命がある。
それでも、今は——
せめて、眠れる場所を。
俺は周囲に落ちていた枝や葉っぱをかき集めた。
前に使った縄の切れ端も見つかった。
そして静かに宣言する。
—「ユニークスキル:裁縫」
光が広がり、視界にオプションが現れる。
「裁縫」を選択。
素材を指定。
次の瞬間、俺の手は――勝手に動き始めた。
何本もの枝が組み上がり、葉が結び合わされていく。
気がつけば、そこには小さな三角形の家が立っていた。
まるで、前世で見たサバイバル動画で紹介されていたような形だ。
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オブジェクト分析
名前: 森の隠れ家
レアリティ: レア
> 自然素材で作られた、簡易だが機能的な住居。
特徴:
風・雨・軽度の火に対する耐性
通気性に優れ、内部は快適
癒し効果のある天然の香りを発し、安眠を促進する
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言葉を失った。
イレーネも、ぽかんとした顔でそれを見つめていた。
数秒後、彼女は目を輝かせながら小屋に走り込み、中にちょこんと座った。
俺もその隣に腰を下ろす。
屋根のある、壁のある場所。
それだけで、こんなにも安心できるとは思わなかった。
初めて作った、俺たちだけの――家。




