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幕間3
♣︎
「アイス、行っちゃった」
鼻歌を歌いながら、実験器具を片付ける。
ヨウ素時計反応を使って恐怖を煽る作戦は効いただろうか。
「こういう運命だったのかな」
私がさっき、アイスに言った予言は『嘘』だ。紛れもない虚構である。
本当は部長が自殺を『遂行できた』なんて予知は一切受けていない。
「なんで私、あんなこと言っちゃったんだろう。あのままアイスをこのまま化学室に留めさせておけば、予知通りの運命なんて来なかったかもしれないのに」
私が土曜日受けた本当の予知は──それはとても悲しいもので──
「やっぱり、この予知は私が運命に縛られてるってことなのかな」
未来を知ってしまったことで、私がその通りの未来になるように必死に動こうとしている。そういうことなのかもしれない。
「ははっ、なんでもいいや」
私は涙を洗われているビーカーの上に落とす。
「運命、変わるといいな」