表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

ブランド本国と生産国

初出:カクヨム

https://kakuyomu.jp/works/16816700426809476053/episodes/16818093084463933604

 現在の日本で販売されている、有名な海外ブランドビールの生産地は、例えば次のようなことになっている。

 すなわち、ハイネケンやカールスバーグは日本、バドワイザーやレーベンブロイ、ヒューガルデンは韓国、コロナは中国……

 ただ、現在はこうだとしても、すぐにまた別の生産国に変わったりもするので油断はならない。

 原因としては、ビール会社同士のライセンス契約やら合弁やら買収やら、そうした経済上の動きがドラスティックに行われているためらしい。

 例えば、バドワイザーは当初アメリカから輸入されていたものが、キリンとの合弁会社による国内生産となり、この合弁関係が解消された後もキリンによるライセンス生産が続けられていたのだが、二〇一八年末ごろにそれも打ち切られ、それ以降は韓国産のものが輸入されるようになったとのことである。


 このような状況に僕が気付いたのは数年前。

 スーパーだったか、酒類量販店だったか、ふと手に取った欧米ブランドのビールの裏書を眺めていたところ、その生産地が何とアジアの国になっていたのに愕然としたのが始まりである。

 それ以後、海外ブランドのビールを見かける際には裏書によくよく注意するようになり、既述のような事態を認識するに至ったのである。


 海外のビールを口にしたいと思うのは、単に味だけではなく、パッケージのデザイン性を始め、ブランドや製品にまつわる歴史的、文化的背景など、さまざまな付帯的価値をイメージし、それを好感してのことが多いように思われる。

 ドイツビール、ベルギービール、メキシコのビール――どれもその本国にかかるあれやこれやに思いをはせながら味わうのが一般だと思うが、よくよく調べてみたところ現実の生産工場はまったく別の国に移っていましたとなれば、羊頭狗肉と言おうか、何だか詐欺にでもあったような幻滅感を抱くのではなかろうか。

 少なくとも僕に関してはそうである。


 もっと釈然としないのは、販売店の値札やポップにおいて生産国を偽り、中国産のコロナをメキシコ産、韓国産のバドワイザーを米国産などと書かれている場合があることである。

 一年ほど前だっただろうか、さる大手スーパーにおいてそのような値札を発見し、義憤に駆られて――内心の半面では自分を大人げないと思いつつも――近くの店員にやんわりと指摘したことがある。

 それ以後、その店舗では生産国が正しく表示されるようになったように見えるが、他の販売店などでは、間違ってなのか故意なのか、はっきりとしないけれども、現実とは異なる〝イメージ上〟の生産国が表示されているケースが、いまだに後を絶たないように感じられる。


 もっとも、生産が他の国で行われるようになったとしても、味が同じならばいいではないかという意見もあろう。

 ただ、真偽のほどは定かではないが、ウェブで調べたところ、生産工場が変わって、原材料や味が変化したという記事を目にしたりもする。

 もしそれが本当だとしたら、何ともいかがなものか。


 次回は、少し目先を変えて、日本におけるイギリスやアイルランドのビール事情について述べてみたい。




                         <続>






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ