表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/10

9

夜が更け、月の光が神社に降り注ぐ頃、僕とあかねは再び神社に戻った。神社の境内は静まり返り、月明かりだけが周囲を照らしていた。僕たちは石碑の前に立ち、巻物に書かれていた通りに祈りを捧げることにした。


「これで、石碑の謎が解けるといいんだけど。」僕は心の中で祈りながら、月の光に照らされた石碑を見つめた。


月の光が石碑を淡く照らす中、僕たちは静かに祈りを続けた。月明かりの下での祈りが、石碑の謎を解く手助けになることを願いながら、その時が来るのを待った。


しばらくすると、何も変わらないまま時間が過ぎていった。月の光が神社の境内に降り注ぎ、石碑を包み込むように輝いていたが、石碑には特に異常は見られなかった。


「もう少し待ってみようか。」僕はあかねに提案した。


あかねは頷き、「そうだね、焦らずにじっくり待ってみよう。」と答えた。


その後も静かに待ち続けていると、突然、石碑の表面が微かに光り始めた。光はほんのりとした輝きで、まるで何かが動き始めたかのように感じられた。


「見て!石碑が…!」あかねが驚いた様子で指摘した。


僕たちは石碑に近づき、その変化を見守った。石碑の表面には、少しずつ新たな文字が浮かび上がってきた。月明かりの中で、その文字は鮮やかに現れ、徐々に全貌が見えてきた。


「『ここに眠る者が…』と書かれている部分が見えるね。」あかねが興奮気味に言った。


僕は慎重に文字を読み取りながら続けた。「『ここに眠る者が目覚めるとき、真実は明らかとなり、秘められた力が解放される』ということが書かれている。」


その瞬間、石碑から微かな振動を感じた。石碑の周りの空気が変わり、何かが解放される予感がした。


「これが、何かの始まりなのかもしれないね。」僕はつぶやいた。


石碑の前での祈りが終わると、再び静寂が戻った。石碑の光も収まり、普通の石碑の姿に戻っていた。しかし、その光景からは、何か特別なことが起こったことを示唆しているように感じられた。


「今日はこれで帰ろうか。」僕はあかねに提案した。


あかねも頷き、「うん、また後日調査を続けよう。」と応じた。


帰り道、突然僕の携帯電話が鳴った。電話番号は見覚えのないもので、留守番電話には知らない声のメッセージが残されていた。


「はじめまして。私は、あなたたちが石碑の調査を行っていることを聞きました。おそらく、新たな手がかりを得るためには、さらに詳しい情報が必要です。もしよろしければ、再度連絡をいただければと思います。」という内容だった。


そのメッセージを聞いた僕は、謎の男が言っていた「満月」の意味が気になり始めた。何か深い関わりがあるのかもしれないと考えながら、僕とあかねは次のステップを決める必要があった。


「この電話の主も何か知っているのかもしれないね。」あかねが言った。


「うん、連絡を取ってみよう。もしかしたら、これが新たな手がかりになるかもしれない。」僕は決意を込めて答えた。


そして、僕たちはその後、メッセージの主に連絡を取るための準備を始めた。石碑の謎を解明するためには、さらに多くの情報と手がかりが必要だと感じていたからだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ