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翌日の早朝、僕と立花あかねは再度集合し、改めて別の場所を調査することにした。朝の空気はひんやりとしていて、静けさの中に鳥のさえずりだけが響いていた。


今回の調査場所は、前日に探索した廃墟から少し離れた小さな丘の上にある神社だった。神社の境内は放置されて久しいようで、荒れ果てた状態だった。僕たちは、まず神社の内部から外周まで隅々と調べることにした。


神社の奥のほうに、ひっそりと立っている古びた石碑があった。苔がびっしりと覆い、文字はほとんど読めない状態だった。周囲には雑草が生い茂り、長い間人の手が入っていないことがわかるほどだった。


「これは一体・・・?」僕は呟きながら、石碑の前に立った。


立花あかねは石碑に近づき、じっとその表面を見つめていた。「うーん、文字はほとんど見えないけど、何か意味があるのかもね。」とつぶやいた。


あかねは手に持っていた古いブラシで石碑の表面を軽く擦り始めた。すると、わずかに文字が浮かび上がってきた。


「これ、何て書いてあるんだろう?」あかねは目を凝らしながら言った。


僕はその文字をじっと見つめた。文字は薄くなっていたが、かろうじて読める部分があった。「『ここに眠る者、あらゆる願いを受け入れ、時の流れを超えて、真実を明らかにせよ』…かな?」


あかねは驚いた表情を浮かべながら、僕を見た。「これって、一体どういう意味なんだろう?願い事が叶う場所なのかしら?」


僕は石碑の前に立ち尽くし、しばらく考え込んだ。この石碑が、何か重要な手がかりを提供しているのかもしれないと感じた。しかし、それが具体的に何を意味するのか、まだ分からなかった。


「もしかしたら、何か試すべきことがあるのかもしれないね。」僕はつぶやいた。


あかねはうなずきながら、「試してみる価値はありそうだね。でも、どうやって試せばいいのかは…」と、考え込み始めた。


僕たちはしばらくその場に留まり、石碑をじっくりと観察し続けたが、特に新しい手がかりは見つからなかった。結局、何か行動を起こす前に、まずはこの石碑の存在意義をもう少し調べる必要があると判断した。


「今日はこれで終わりにしようか。もう少し調査を進めてから、また来よう。」僕はあかねに提案した。


あかねは頷き、「うん、そうだね。また別の日にここに来てみよう。」と応じた。


僕たちは石碑を後にし、丘を降りながら次に何をすべきかを考えた。石碑の謎が解明される日が来るのか、それとも新たな手がかりを見つける必要があるのかは分からなかったが、この神秘的な石碑が物語の鍵を握っていることは間違いなかった。

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