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「笑う門には福来るってことわざ知ってる?」小鳥遊小鳥との出会いは突然だった。放課後の教室で、彼女は不意に話しかけてきた。
僕、伊達直人は驚きながらも答えた。「常に笑顔でいたらいいことが起こるって意味でしょ?」
小鳥遊は満面の笑みを浮かべて「ピンポーン!大正解!」と喜んだ。その笑顔に、僕の心は初めての感情を覚えた。小鳥遊の笑顔は本当に魅力的で、僕の心を不思議なものでいっぱいにしていた。
その日から、僕たちは毎日のように会話を交わすようになった。小鳥遊は雑学や面白い話をたくさん教えてくれた。例えば、タコの足の話やシロクマの左利きの話など、どれも普通ではないけれど、面白くて興味深いものばかりだった。小鳥遊の話を聞いているうちに、僕は徐々に心を開き、小鳥遊と過ごす時間が楽しみになっていった。
ある日の放課後、僕たちは教室で二人きりだった。小鳥遊はちょっと真剣な表情をして言った。
「ねえ、秘密を教えてあげる。」
「秘密?」
「実はね、私、昔は笑うことが苦手だったんだ。でも、ある人に言われたの。『笑顔は人を幸せにする力があるんだよ』って。それで、笑うことを練習したんだよ。」
その言葉に、僕は不思議な既視感を覚えた。まるでその言葉を以前にも聞いたことがあるような気がしたが、その時は深く考えなかった。ただ、小鳥遊が自分の過去や苦手なことを克服した話を聞いて、少し感動した。
「そうなんだ。小鳥遊がそうやって笑うことを練習して、今の君がいるんだね。」と僕は言った。
小鳥遊は嬉しそうに微笑みながら、「うん、そうなんだ。だから、私が笑顔でいることで、誰かの力になれたらいいなって思ってる。」と答えた。
その言葉に僕は心が温かくなった。小鳥遊の笑顔がただの表面的なものではなく、自分自身の努力と成長の結果であることがわかり、僕はますます小鳥遊に惹かれていった。