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6-8 たたん、たたん

《とりあえず、ランウ・タンオを探そう

!》


 誰が封印を解いたかも気になるがまずはランウ・タンオ。魔王四天王であった男の魔力はかなり高いため、魔力探知スキルを使えばすぐに見つかるだろう。

 (ミドリ)は集中して森の中を探る。


《しかし、いったい誰が封印を解いたのでしょうか? この森はエルフ以外は私たちのようにエルフに認められた者しか入れないはずですが》

《エルフの中に裏切り者がいるとかは?》

《いや、それはない。エルフたちもランウ・タンオの恐ろしさはよく知ってるだろうからね。結界をスルーして入り込んだ魔族がいる……? いや、でもそんなこと……》

《とにかくまずはランウ・タンオよ! 封印を解いた奴はランウ・タンオを倒してから考えましょ!》

「……みつけた。あっちにおおきなまりょくがいどうしてる」


 (ミドリ)は大きな魔力反応を見つけ、その方向へと向かう。

 封印が解けてからそう時間が経っていないのか、すぐに巨大な魔物の元へと辿り着いた。


「あれがランウ・タンオ……」

「でっかーい!」


 それは5メートルを超える巨大な化け物であった。その姿はまるでゴリラを思わせるが、その身体の一部は鋼鉄で覆われていた。


「タ……タ……タタン!!」

《ランウ・タンオ……聞いてた話とずいぶんイメージ違うね。呪いと幻術を使うらしいからもっと賢そうなのイメージしてたんだけど》

《いや……あれはランウ・タンオじゃない!》

《え……!?》


 この中で唯一ランウ・タンオを直接見ているのは(シロ)一人。そんな(シロ)が目の前の化け物はランウ・タンオではないと断言する。


《妖樹翁ランウ・タンオはその名の通り、全身を妖しげな樹に覆われた猿のような老人の姿だった。だけど、目の前のあれは全く違う。あれは何だ……!?》

《こっちが聞きたいわよ! いったい何がどうなってんのよ!?》

《ランウ・タンオの封印が解けたんやなかったんか! どないなっとるねん!》


 フィオたちは何が起こっているのか困惑していたかま、一番困惑していたのはランウ・タンオと直接戦った(シロ)であった。

 何にせよ、向こうはすでに臨戦態勢で戦いは避けられそうにないだろう。


「タタン! タタン!! タタンーッ!!」

「なになになんなのー!?」

「エリスちゃん、とにかく戦わなきゃ!」

「……くるよ」


 その大猿の怪物は何やら叫んでいるようだが、何を言っているかはさっぱりであったが、怒っているのは確かなようで鋼の腕で胸を叩いて興奮しているようであった。


「タタン! タタンーッ!!」


 怪物が両腕を地面に叩きつけると、大地は隆起し、無数の槍がフィオたちを襲う。

《オイラの巨人の槍(タイタンランス)みたいな技じゃんよ!》

《では、あれは土属性ってことですの!?》

《でも、両腕とか明らかに鉄で出来てるから鋼属性も持ってると思うよ~》


 土と鋼の属性を持つパワータイプの怪物。今わかっていることでも何一つランウ・タンオとは異なっており、フィオたちは土の槍をかわしながら攻撃へと移る。


「じゃっくとまめのき」


 (ミドリ)は手に持っていたクマのぬいぐるみ(イリス・メモリア)を巨大化させ、更にその手から蔓を伸ばして怪物を拘束する。

 だが、怪物のパワーは想定以上で蔦の拘束などあっという間に引きちぎってじう。


「だったら……きんのおの、ぎんのおの」


 (ミドリ)の魔法【きんのおの、ぎんのおの】により、木人形(ウッドゴーレム)の両手の形状は斧状へと変化する。両腕が巨大な斧となったクマのぬいぐるみは怪物へと向かう。

 搦め手が失敗に終わった(ミドリ)は直接攻撃を仕掛けることにし、木人形(ウッドゴーレム)と怪物を激突させる。


「ねこちゃん、エリスちゃん……へたにうごくとあぶない……しばらくたいき」

「え……?」

「でも、おばあちゃん!」

「おばあちゃん……じゃない。いいからたいき」

「りょ、了解です!」

「う、うん」


 おそらく、ここでクゥやエリスも攻撃に加わると怪物の狙いはそちらに向かうだろう。それを感じた(ミドリ)はしばらく一人で相手をすることにし、更なる魔法を発動させる。


「さんびきのこぶた」


 (ミドリ)がポケットから取り出し地面に蒔いた三つの種はそれぞれ豚亜人(オーク)を模した木人形(ウッドゴーレム)となる。

 【さんびきのこぶた】により生み出された豚人形(オークゴーレム)たちは木槍を構えて木人形(ウッドゴーレム)の援護へと向かう。


 怪物のヘイトは木人形(ウッドゴーレム)たちに向いているため、しばらくはクゥやエリスは安全だが、それでは根本的な解決にはならなかった。

 怪物のパワーは三体の豚人形(オークゴーレム)をあっという間に蹴散らしてしまう。


「……やっぱりフィオだけだと……かりょくがたりない」

「おばあちゃん、やっぱり私たちも戦うよ!」

「迷惑はかけませんから!」

「…………わかった。でも、むりはきんもつ」

「うん!」


 考えた末、(ミドリ)は二人にも一緒に戦ってもらうことにし、体勢を立て直すことにするのであった。


 

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