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EX-3 歌
ソイル・オレンジスタ。これまた懐かしい名前だ。
最高にして最強の騎士。
伝説に語られる騎士。
だけど、ボクにはあの時ソイル・オレンジスタが何故歌ったのかわからない。
魔王によって、勇者もその仲間も死に、普通の人間なら諦めていた。
そういう状況だった。
だけど、彼は全く諦めてはいなかった。
そして歌った。
歌って、歌って、歌って。
そして死んだ。
彼の魂はフィオ・フローライトと適合したので、彼は魂となった。
何故、彼は歌ったのか。
何故、フィオは彼を受け入れたのか。
何故、ボクはもう少し彼の歌を聞きたいのか。
魂のないボクにはわからない。
四人目の魂。
陽気なる橙色の魂。
橙。
結果的に彼がフィオ・フローライトになって助けられたことは多い。
彼の歌はみんなを幸せな気持ちにする。
でも、お調子者で女の子が好きなのはどうにかならないのかな。
そのせいで彼自身も他のみんなから少し舐められている気がする。
彼自身がそれでもいいならボクから言うことでもないけれど。
いつか、ボクももっと彼の歌を聞ければいいと。
魂のないボクが?




