第八十二話 おれーたっちーと謎のドア
最初暗くてジメジメしていて怖いかな〜と思っていたが、地下水路の天井には一定方向に光る石がはめられており、電気を付けたように明るかった。
水も下水のように汚れているだろうな〜と思っていたが、小川のように澄み切っており飲めそうな感じだった。
ミイナ曰く「流石お城の水路ね、ちゃんと浄水魔法と空気清浄魔法までかかっているわ」との事だ。
へぇっと納得しつつ、しばらく無言で歩いていると。
ボフン!
体から煙が出て、ちっちゃな爆発が起きた。
「あー、変身解けたようね」
「ですね。皆様可愛かったのに残念です」
「僕は今のままがいいから嬉しいウサ」
「ふえーん、ジンくん大きくなっちゃた〜」
「腰掴むな! 離れろ天使!」
Tara chanボディからやっと元に戻ったのに天使に抱きつかれた。ちくしょう最悪だ。だが。
「うおおおお!」
「ジンくんの力がどんどん強く!?」
小ちゃい体では引き剥がせなかったが、手足の伸びた今なら余裕だ。
あらゆる力を振り絞り、ついに天使を引き剥がして隣を流れる水の中に落とそうとしたが――。
「アンタ達いい加減にしなさい!」
ゲンコツ! ゲンコツ!
「「ごめんなさい」」
ミイナにゲンコツされ、オマケにひざまづきで説教された。
ぐすん、俺悪くないのに……。
そんなこんなもあったが、ミイナを先頭に一列で水路を進む事数分。
「何これ」
階段を登ってすぐ、先頭を歩いていたミイナが立ち止まる。
「部屋に繋がるドア。のようですが……」
ミイナの後ろを歩いていたリンリンも頭を捻った。
「もしかして敵の罠ウサ」
真ん中を歩いていたセイントちゃんがキョロキョロ周囲を見渡す。
天使は飛ばして、最後尾を歩いていた俺が(敵? はははまさか、こんな場所にいるわけないだろ)と思っていたら、突然頭の中に気持ち悪い笑い声が聞こえてきた。
『ヒョヒョヒョヒョ』
「誰!?」
「やっぱり敵ウサ!」
『ヒョヒョヒョ、いきなり決めつけて敵認定するとは失礼ですよ』
「で、ですよね。ごめんなさ――」
『まあ敵ですが』
リンリンが頭を下げたのにすぐ敵宣言をして、『ヒョヒョヒョヒョ』と爆笑する謎の声。
何だこいつ、俺めちゃくちゃイライラすっぞ!
「さっきから何、もしかして殺されたいのかしら」
「ぶっ殺してやるからとっとと姿を見せるウサ」
リンリンをバカにされたからか、ドスの効いた声でミイナとセイントちゃんが声の主を脅す。二人とも普段は可愛いけど今は超怖い。
『ヒョヒョヒョ怖い怖い、でも私に会いたければそこのドアを選んで進むしかありませんよ』
謎の声がそう言ったので俺達は道の先にあるドアを見る。
ドアはそれぞれ石壁に埋まっており、違う外見のものが三種類あって、水路の先に部屋があるような作りになっており、右から順に木で作られたスタンダードなドア、金庫のような重苦しい作りのドア、『安全』『罠じゃないよ』『楽しいよ』『大歓迎』といういかにも罠としか思えないような看板がドアの入り口付近に置いており、かつピカピカ光るライトでドアの周囲をイルミネーションのような感じで装飾している一番怪しげなドアだ。
寒さもこれからが本番?




