第七十七話 首都【ドラグーン】潜入
「ぼくこの姿だけど大丈夫なんですか」
指で六角形を形成しながら、魅惑のTara chanボイスでミイナに問いかける。
「知らないわよ。でもこのままいくしかないでしょう」
「……それもそうですね」
戻り方がわからない以上、俺はTara chanのまま行くしかない。
「行くしかないです」
俺は覚悟を決めた。
でもこの喋り方だけは勘弁してほしい。マジで。
心と口から出る言葉がチグハグで、早く戻らないとTara chanに侵略されそうだ。
「ミイナ隊! 潜入〜〜」
ミイナの掛け声が始まった。
いかん、この円陣ウェーブに乗り遅れるな!
ミイナの声が途切れて1秒、スゥッっと吸う空気を察知して、俺も声を出す!
「ゴーーイエッサーです〜!」
「「「「スタート(ウサ)!!」」」」
……掛け声変えるなら教えてよ(T_T)
円陣も終わり、俺達は素早く行動を開始した。
目指すは【ドラゴン王国】の首都【ドラグーン】だ。
メガワシ車をイケメンおじさんに託し、イケメンおじさんはドラゴン族の商人としてメガワシ車で向かって【ドラグーン】内の宿でいつでも動けるように待機、俺達は背中の羽で違和感なく飛んで空から向かう。
【ドラグーン入り口上空】
「ようこそ【ドラグーン】へ」
首都へ入る審査を終え、ドラゴン兵のおじさんが手を振って見送る。
思ったよりアッサリと入れてしまった。
潜入するとはいえ、見知らぬ俺達相手にきっと一悶着あるかと思っていたが考えすぎだったようだ。
ただ。
「なんだかおかしな審査でしたね」
「ダネダネ〜」
地上に降りて、建物も街並みも人間の国とは違い何もかも巨大なドラグーンを歩きながら、天使とリンリンがそう話していた。
てか天使お前、フシ〇ダネの声真似はやめろ。微妙に似てるんだよ!
「そうかしら」
「これが普通ウサよ」
ミイナとセイントちゃんはさも当然といった顔をしていた。
「普通ですか。異世界ってやっぱり不思議ですね」
「ダネフシャ〜」
周囲の巨大な建物、巨大なドラゴンと人間の姿をしたドラゴンが一緒に生活する光景にリンリンは目を光らせ、フシギダ〇の声真似で天使が肯定する。だからそれやめろ!
ムカつくが声に出さず天使を睨みつける。その理由は――。
「ジンはどう思う?」
「ぼくもあの審査変だと思いましたよミイナお姉ちゃん」
「……ふふ、そうなのね♪」
笑顔で頭を撫でてくるミイナ。嬉しい、すっげぇ嬉しいんだが。
「ジンは可愛い弟だわ」
「ぼくは弟なんかじゃないです!」
「あはは、そうよね〜」
「ぬぬぬぬ」
また頭を撫でるミイナ。こんな感じで何故か名前の後にお姉ちゃんが付いてしまい、弟扱いされるのだ。
嬉しいけど嬉しくない、この変な気持ちがわかるかチクショー!
とまあ不満はこの程度で留めておいて、首都に入る審査についてだが、端的に伝えると俺達はベイブレー〇でバトルして、一人でも勝てたら首都に入れるという内容だったので俺としては変だと思っている。
ちなみに俺はスーパーハ〇ぺリオンでドラゴン兵審査員のドライガ〇にボロ負けし、キングヘリオスを使ったミイナが圧勝してくれた。
餅の日か。
餅食うしかないよな!^o^




