第七十四話 某探偵アニメのような始まり( ̄(工) ̄)
俺の名はカミバライ=ジン。
メガワシ車の中で俺に惚れている(俺本人の意見です)ミイナが大接近してきてこれからイチャイチャする予定だったが、背後から近づく天使の気配に気が付かず――。
「ウプっ、ジンくん……ダメ……『エンジェル・スリープ』」
「おのれ天使めえええええ!…………………………すぴー」
卑劣な魔法で眠らされ、目が覚めると!
「【ドラゴン王国】に到着していた!」
高い丘の上でここまでのあらすじを説明しながら俺は今、双眼鏡から見える景色に興奮していた。
どこまでも広がる広大な土地。
その遥か先にある巨大すぎる城門に建物、その建物の上空を飛び回る多数のドラゴンに人間の姿をしたドラゴンなどなど、人間の国ではありえないドラゴンファンタジーな事ばかり、間違いなく、ここはドラゴン王国だ。
「ジン、うるさいわよ」
俺と同じく双眼鏡を使って景色を眺めていたミイナに注意された。
「すみやせんミイナの姐御」
メガワシ車での後遺症が残っていた俺は、ミイナに154度腰を曲げて謝る。
「誰が姐御よ!」
俺の謝罪に、ミイナはガチ極道の姐さんのように怒った。
ひぃぃ、可愛いけど怖いよぉ。
「そうだよジンくん『お姉ちゃん』でしょ」
と、天使が俺の尻に胸を乗せながら言ってきた。
ぐぎぎ、コイツはマジぶっ○したいが、ミイナの前だから我慢するぜ。
「それも違うわよ、普段通りミイナって呼びなさい」
「わかりやした、ミイナ」
「あんっ!」
天使をヒップアタックでどかし、エアータバコを吸う所作でハードボイルドな雰囲気を醸しつつダンディな声で名前を呼ぶ。
「その変な動きと声は余計だけど、ジンはそれでいいの」
歯を出してニカっと笑顔ではにかむミイナ。
可愛すぎ! まさに5億ドルの笑顔や!
俺がミイナの美貌でメロメロになっていると、他のみんなも俺に続いて名前を呼ぶ。
「ミイナちゃんウサ」
「ミイナ様」
「ミイナお姉ちゃん」
「ミイナさん」←これはおじさん。
「……アンタ達は別に呼ばなくてもいいわよ」
笑顔から呆れ顔に変化するミイナ。
でも口元は緩んだままだ。
そのちょっとした可愛さに心臓がきゅんとした。
マジ可愛い。何だこのガチ天使。
「ミイナすっげぇ可愛いぜ」
「? 今何か言ったかしら?」
「ミイナかわ――」
「お姉ちゃん大好き❤️」
「わっ!」
せっかくの褒めポイントを天使に潰された。
「くふふふ」
天使はミイナに抱きつきながらチラチラっと俺を見てはドヤ顔をしている。
天使、コロス!
我慢ゲージがてっぺんに到達し、俺の憎悪はクライマックスを迎えようとしていた。
天使コロス天使コロス!
「離れなさい!」
「ああ、お姉ちゃん」
ミイナが天使を引き離した。
天使は泣き顔だ。ザマァ!
それにより俺の憎悪が半分まで下がる。
ケッ、命拾いしたな天使。
「お遊びはここまでにして、これからあの都市に入るから変装するわよ。
天使、アレを出しなさい」
「わかったよ、お姉ちゃん」
泣き顔から一転して「くふふ」と笑い、ドヤ顔で「えいっ」と谷間に手を突っ込む天使。
「……んんっ……はぁはぁ……えーと、これぇ、じゃない……これでもぉ、んんっ、なぃ……」
谷間の間から何かを探してるようだが、側から見てたらただ興奮しながら胸をモミモミしてる痴女にしか見えない。
「ちょっ、は、早く出しなさいよ」
「あうぅ。て、天使様ぁ」
「な、何やってるウサぁ」
こうゆうのに免疫が無いミイナ、リンリン、セイントちゃんの顔は真っ赤になっていた。
対しておじさんは。
「ははは、若いなぁ」
流石おじさん。興奮せず、腕を組んで微笑みながら天使の行為を見守っていた。
え俺? 俺はもちろん。
「ぺっ」
やさぐれながら唾を吐いて、その辺の石ころを蹴っていた。
休みまでもう少し、頑張ろう! マジで!




