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こぎつけた
「そうか・・・わかったよ。お頭と話をするのは、諦めよう」
「お力になれず、申し訳ないですね」
「まあ、いいさ、元々死んだ人と話をしようってんだ。
そうそう都合よくはいかねえだろうよ」
「では、まずお仲間の魂を成仏させるとしましょう。では・・・
あなた方が巻き込まれないように、死体をあの木のあたりに集めて下さい」
「そんな必要があんのか?」
「みなさんから離れる必要があります。もし、巻き込まれたら
みなさんが生きてても魂が冥界へ飛んでいくこともありますよ?」
「うえ、勘弁してくれよ。わかったよ、
では手分けして引きずっていくとしよう。
おい、お前らはあっちから順番に引っ張っていってくれ。俺はこっちから始める」
「おいおい、俺らは遠いほうかよ?」
「ん? なんか文句あんのか?」
「ちっ、わかったよ・・・」
盗賊がばらけた。
戦闘開始だ。幸太郎はさっきの剣を拾った。
どうしても最初の一人は不意打ちで殺さないと勝ち目がない。
最後の一人は相打ちでもいい。
幸太郎の芝居でようやくここまで、漕ぎつけた。
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