お頭との交信・・・のふり
「ふむ。死んでないのが残念ですね。
死んでたらいただきたかったところですが・・・。
まあ、今日は魂付きの死体が6体も手に入るのです。
十分です。どんな実験をしましょうかねえ?
おっと、いけないいけない。まずはお頭さんとの交信ですね」
「そうそう。お頭の死体はこっちだ。・・・これだよ」
「強そうですね・・・。よくこんな人を倒せましたね?」
「ああ、人狩りにも恐ろしく強ええやつがいてよ・・・」
「その人はどこに?」
「そっちのやつだな」
「わかりました。では早速、お頭さんとの交信を始めます」
幸太郎はお頭の頭のそばにしゃがむと、ブツブツ唱え始めた。
もちろん『交信』など使うつもりはない。
そんなことをしたらMPが足りなくなってしまう。
幸太郎は驚いたように目を見開くと、ゆっくり首を振った。
「これは・・・。まずいですね。すでに魂は怒りと憎しみと激痛に
支配されつつあります。
こちらの呼びかけに対して怒鳴り声しか返ってきません・・・」
「おいおい、どうにかならないのかよ?」
「うーん、ではお頭の仇の剣をここに・・・そう、
その人の剣を持ってきてください。
すでに仇は討ったと報告してみます」
盗賊の一人が人狩りの剣を持ってきた。
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