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キレる
「逃がしてもらおうなんて考える悪い子は、躾が必要だな!」
「ちょっと教育しようぜ。逃げようなんて考えなくなるようにな」
「おとなしくなるようになあ・・・。なあに、
痛いことはしないさ大事な商品だからな。くっくっく」
そういうと盗賊たちは檻を取り囲んで、周囲からガンガンと檻を蹴りだした。
「やめて! やめて! やめて下さい! やめて、やめて・・・」
盗賊たちは聞く耳をもたず、さらに蹴りまくる。
1分・・・2分・・・盗賊たちは少女の悲鳴が楽しいようだった。
ついに少女はもう悲鳴もあげることができずに、ぽろぽろと泣きだした。
それでも盗賊たちは、しつこく蹴った。檻がグラグラと揺れる。
幸太郎はキレた。『・・・許さん・・・』
幸太郎は自らに問う。
『お前に人が殺せるのか?』
幸太郎は即答した。
『あんな嫌な奴らが生きてていいわけねえだろうがっ!!!』
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