森の外へ
幸太郎はカルタスたちが空へ昇っていくのを見送った。
『今度は幸せになれますように』素直にそう思った。
そして、自分が幸せになれそうにない状況を思い出した。
「やべえ! 急いでシェルター作らないと!」
獣たちは、さまようカルタスたちを恐れて近づかったかもしれないが、
もうカルタスたちは冥界へ戻った。幸太郎は裸同然だ。
幸いシェルターが完成するまで、獣は来なかった。セーフ
「腹ペコに変わりはないけど、今日はよく眠れそうだな」
明日はカルタスに教えてもらった『中継都市コナ』を目指そう。
翌朝。念のためゾンビを護衛につけて、幸太郎は西へ歩き出した。
カルタスの言う通り2時間ほど歩くと森の外へ出た。
「ははは! これでメシにありつけるぜ!」
明日の昼ごろにね・・・。
カルタスは一旦、そのまま西に向かい街道へ出るといいと言った。
しかし、幸太郎にはそのまま北西へ歩いても問題なさそうに見えた。
「ショートカットしたほうが早いよね? 早くなんか食べたいし」
腹ペコが幸太郎の判断を狂わせた。欲とは恐ろしいものである。
(C)雨男 2021/11/07 ALL RIGHTS RESERVED




