愚痴
「うむ、『きゅう』よ。実はそれに関しては俺も同感だ」
「だよな・・・。これで王国はカイル殿下、エミール殿下を失って、
残ったのは、よりによってコルトの馬鹿だぜ?
あいつ女しか興味ないじゃないか」
「いやいや、酒にも興味あるぜ?」
「笑えねえよ『ごー』。わかってるだろ? 国王陛下は今回の暗殺で
死ぬほどがっくりするだろう。
・・・早死にするかもしれん。そしたらコルト国王誕生だぜ?」
「ふぅ・・・。溜息が出るな・・・。コルトの馬鹿では
王国の舵取りはできないだろうし、宰相などの権力闘争が勃発するのは
目に見えてる。なにしろ、これでコルトの私生児6人は
『王位継承権』が発生することになるからな」
「馬鹿な王子が娼婦どもに産ませた子供に王位継承権?!
・・・頭いてえ・・・。コルトが王になるだけでも
王国にとって最悪なのに、私生児なんて火種にしかならねえ・・・」
「王妃殿下はそんなにマーガレット様が嫌だったのかねえ・・・」
「さっき見てきたけど、かわいいじゃねえかよ。
俺の趣味じゃないけどよ。とても悪いやつには見えねえ。
エミール殿下が国王になってマーガレット様が王妃になったほうが
王国にとってよっぽど明るい未来が来るだろうに・・・」
(C)雨男 2021/11/07 ALL RIGHTS RESERVED




