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異世界徒然行脚 『Isekai Walking~nothing else to do~』  作者: 雨男
ネクロマンサーとダンジョン破壊 5
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午後2時


 翌朝、8時。



いつものルーティンが始まる。もう習慣化していると言っていいい。



モコは幸太郎の右手を頭に乗せると、幸太郎を起こした。





寝ぼけ眼の幸太郎は、自分に『洗浄』をかけながらテーブルに着く。



まずはお茶だ。





『よく眠れたか?』とジャンジャックがニヤニヤしながら聞いてくる。



もちろん、知ってて聞いている。というか、幸太郎の顔を見れば、



どんな状況だったのかは大体想像がつくが。





「・・・では、ぼちぼち朝食にしようか。


あ、その前に一応地下15階を少しだけ覗いておこう」





幸太郎、ジャンジャック、モコで地下15階へ下りる。



ダンジョンが成長する前なら、ここが最下層のはずだ。



ひんやりした空気が幸太郎の頭をスッキリさせる。





「じゃあ、モコ、早速索敵を・・・」





と言い終わらないうちにコピーモンスターが殺到してきた。





「おおっ・・・やる気満々じゃねーか。あははは」





ジャンジャックが笑う。とりあえず上に戻ろうということになった。



知りたいことは、もうわかったから。








朝食はステーキだ。モア、アイアンホーン、グレートボア。全て焼く。



幸太郎はリクエストに応えてガンガン作った。ステーキバイキング。





野菜炒めも大量に作る。この世界のニンジン、ピーマン、



ナスは格別に油炒めと相性が良いと感じる。



キャベツにキノコも加えて無敵。





油ばかりでは飽きるから、干した小魚で出汁をとったスープは



あっさりとした仕上げだ。ガンボア・オオシジミと



刻んだ青菜と小葱だけ。グビグビ飲める。



出汁さえしっかりとれば、素人でもなんとなく美味しくなるものだ。





口の中の油を切るために、緑茶を出す。紅茶は食後でいいだろう。





ステーキの付け合わせには茹でたアスパラガスと、



刻んで炒めたニンニクだ。





パンも焼きたてのやつを『マジックボックス』から選ぶ。いい香り。



あとはバターとチーズ、ジャムをテーブルに。








猛烈な朝食になった。幸太郎、モコも多めに食べてはいる。



しかし、ジャンジャック、グレゴリオ、エンリイは



『昨日の分まで』という勢いで食っているのだ。



確かに考えてみれば、昨日は昼飯を食べてない。



夕食もみんな食欲が無かった。腹ペコなのを思い出したのだろう。





(うーん・・・ちょっと危ない傾向でもあるな・・・。


少し、はしゃぎすぎに見える。


やっぱり『今日で地上に帰れる』っていうことが


みんなの心を支えているんだろう)





幸太郎は午後の行動の方針を変えることにした。





(おそらく、地下14階以上に地下15階は広いはずだ。


途中で『時計塔』で道を封鎖して休憩を取る予想をしていたが・・・。


おそらく、休憩は『とれない』・・・。


みんな立ち止まることに恐怖を感じてしまうはずだ。


少なくともボス部屋まではノンストップ。


ボス部屋の前で最後の休憩をとるように説得しておこう・・・)





ナイトメアは死んだが、ナイトメアが命じた



『時間を稼げ』という指示は消えていないだろう。



『ダンジョン・クイーン』がロボットのような存在ならば、



創造主が死んだとしても命令は



変更されるまで有効の状態が続くはずだ。





そして、もう誰も命令の変更を指示する者はいない。



このダンジョンが破壊されるまで、そのまま続く。





先ほど、地下15階へ下りたのは、それを確認するためだ。



登場するコピーモンスターに変更が起きているか?



ダンジョンのフロアー自体に変化は無いか?



コピーモンスターの行動がおかしくないか?



幸太郎には数秒でわかった。『昨日と同じ』だと。








昼食を軽く取り、しばらく食休み。



その後いよいよ最下層、地下15階へ挑む。



おそらく昨日よりも長時間ダンジョンを歩き続けることになるだろう。



午後2時。



安全地帯を片付けて、準備完了。と、言いたいところだが・・・。





幸太郎はモコとエンリイの様子が気になっていた。





焚火を消す、ベッドを片付ける、テーブルと椅子をしまう・・・。



そのたびにモコとエンリイの顔色が悪くなっていった。





(怖いのだろうな・・・。『安全地帯』から外へ出ることが・・・)










(C)雨男 2023/05/20 ALL RIGHTS RESERVED






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