よっこらせ
「実は私はネクロマンサーのジョブを持っているのです。こちらの
ゾンビ2体は・・・夜の森が怖いのでついてきてもらいました。
昨日の夜はグレイウルフに襲われましたので・・・」
幸太郎は正直に話すべきだと考えた。
「ネクロマンサーの・・・これは珍しいですね。それで我らが見え、
話もできるのですか。得心がゆきました。
ここには狼も熊も来ませんので心配はいりませんよ。
獣は我らを恐れてここには近寄りません」
多分、獣だけではなくカルタスたちを見た人々も
近寄らないのだろうと幸太郎は思った。
カルタスたちは青白くぼんやり光っているので
一般人でも見える人はいるはずだ。
「ではゾンビ二人には帰ってもらいましょう。いつまでも待たせておくのも
かわいそうだ。明かりの魔法を使ってもよろしいですか?」
幸太郎は『陽光』を使った。
「これは・・・なんと温かく、明るい光を放つ魔法・・・。
このような魔法は初めて見ました。なんと珍しい・・・」
「これは太陽魔法の『陽光』です」
「太陽魔法?! 今まで一度も聞いたことがない魔法ですね。
幸太郎様はいったい・・・?」
「先ほども言いましたが、私は太陽神さまに御用を申しつかっております。
この魔法は太陽神さまからの借り物です」
幸太郎とカルタスは近くの岩に腰をおろした。
よっこらせっと。
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