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異世界徒然行脚 『Isekai Walking~nothing else to do~』  作者: 雨男
ネクロマンサーとアルカ大森林 4
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アルカ大森林の市場を回る 13


「よっし、任せな! 急ピッチで仕上げるぜ。


それに、面白い武器に、知らない技法か!


今日はワクワクしてたまらねえ! やるぞ、ヒガン! ミノウも手伝え!」





幸太郎たちは武器屋を後にした。



ギブルスが竹の水鉄砲を欲しいと言ったので渡す。



ギブルスは水鉄砲を『マジックボックス』に入れた。





「ギブルスさん・・・『マジックボックス』持ってるんですね・・・?」





「ああ、言って無かったかの? まあ、わしの『マジックボックス』は


背負い籠4つ程度で中身はほとんど金しか入っとらん。


財布代わりじゃよ」





ギブルスはしれっと言ったが、幸太郎は戦慄した。





(ほとんど中身は金だって・・・? ギブルスさんって


エルロー辺境伯より金持ちなんじゃ?)





驚いたのは幸太郎だけだった。ドライアードたちは知ってるらしい。



そのドライアードの1人、モーリーが聞いてきた。





「次はどうするのじゃ? シンリンのエリアにお茶を買いに行くか?」





「いえ、まずはさっき教えてもらった家具屋へ行きたいです」








幸太郎たちは家具屋へ空間転移した。



幸太郎はミノウの紹介で来たことを告げる。





「へー。ミノウの紹介かあ。武器屋へ転職したときは


頭がおかしくなったのかと思ったが、ちゃんと真面目にやってんだな。


・・・ミノウがラウンドシールドを? あいつ・・・


神聖な家具職人の技を邪道に使いやがって・・・。


まあ、いっか。おう、なんでも見て行ってくれよ。


欲しいものはあるか? 作って欲しいものも遠慮なくいってくれよな」





家具職人たちは、なんかノリが軽かった。カルカッタ。








幸太郎はガンガン買いまくる。








ノーマルなベッドを4つ。グレゴリオ用にキングサイズのベッド。



何かの役に立つかも、とスノコも沢山買った。



ジョイントで長さを伸ばせるハシゴも買った、あるだけ全部。



廃材で薪も作っているので、ごっそり買い込む。



意外なことに松明も売っている。なんか廃材でいくらでも作れるので、



副業らしい。木の棒に松脂をしみこませた布を巻いただけのもの。



50本買った。薪を運ぶ時便利かと思い、乳母車みたいな荷車と、



大八車みたいな荷車も買い込んだ。





そして、風呂桶を発見!!





こっちの世界にも風呂の習慣を持つ人たちはいたのだ。



が、ギブルスに聞くと『病人が使うもの』だという。



『洗浄』の生活魔法があるせいで、薪を使ってお湯を沸かし、



それで体を洗うなど『金持ちの道楽』と思われているらしい。



そのせいで風呂桶は基本的に『皮膚病の治療』に使う



医療器具扱いだった。薬湯を注ぐとか、なんとか。





「欲しい・・・。絶対欲しい!」





しかし、ちょっと小さい。できればゆったりと浸かりたいものだし、



ダンジョンで使うのは無理かもしれないが、グレゴリオが入るには、



もっと大きいものが必要。しかし、救いの神は存在したのだ!





「ん? 大きいやつかい? あるよ、裏に置いてある。


あれなら4人くらいは楽に入れるぜ?


でも、あれはスゲー重いぞ? ニイさん大丈夫かい?」





「大丈夫だ、問題ない!」





幸太郎は『マジックボックス』でつるんと飲み込んだ。



一応、職人たちに自分の『マジックボックス』はドライアードの力の



おかげで馬車が入るんだと説明する。





さらにベッド、薪、松明、ハシゴも次々と飲み込んでいく。





「おいおい、お金を払ってからにしてくれよ。


全部で金貨31枚・・・はあ? 40枚出すから


買ったの内緒にしてくれって? 了解だあ!! 任せとけって! 


気前がいいな! ニイさんよ! うひょー!」





職人たちはすっかり上機嫌だ。幸太郎はついでに



『箸』をいくつかと、杖を頼んだ。





「え? 杖ぇ? そんなら武器屋にいったほうが・・・


あん? 見かけだけでいいって? そこの廃材でいいのかよ!? 


まあ、歩くときは便利だろうけどよ」





「金貨をもう3枚出しましょう」





「かーしこまりましたあああああっ! 小さな木の棒2本セットと、


見た目だけの杖デスネ? 3分お待ちくださいな! 


おい、みんな、先にこっちやるぞ! 集まれ!」





あっという間に箸が20膳、



見かけだけの杖が3つ出来た。職人スゲー。








『また来てくださいねー』という声を背中に聞きながら、



幸太郎たちは家具屋を後にした。





幸太郎は箸の出来に満足していた。



ちゃんとヤスリがけまでしてある。大したものだ。



ニマニマと箸を眺める幸太郎に対して、



ギブルスもドライアードたちも唖然とした顔のまま。





「幸太郎殿・・・。その・・・お前の『マジックボックス』は、


いったいどのくらいの広さがあるのじゃ・・・?」





「そうじゃ、幸太郎、お前さんの『マジックボックス』は


馬車が入る程度と言っておったが、


ベッドが5つに大量の薪、大型の風呂桶・・・。


いや、それ以前に、ボートが2つ入ったままなのではないか・・・?」





「買い物が終わったら、全部説明いたします。


私がドライアード様たちに説明したことではまだ半分です。


ギブルスさんが気づいたことでも、まだ半分です。


現在、全てを知っているのはモコだけですよ。


ジャンジャックたちと別行動にしたのも、説明するためです。


彼らに聞かせたくないわけではありません。


どんな影響が出るのかが想像できないだけなんです」





「よし! ならば買い物を急いで済ませようぞ! 


さあ、次は何が欲しい?」





「一度ジュリア様のエリアに戻りましょう。ダークエルフの市場で


寝具と服などを買いましょうか」










(C)雨男 2022/05/18 ALL RIGHTS RESERVED






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