表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界徒然行脚 『Isekai Walking~nothing else to do~』  作者: 雨男
ネクロマンサーとアルカ大森林 4
473/1070

シェイクダウン 3


「じゃあ、3つ目のスキルを見せよう。ゴリオ、頼むぜ」





「おう」





グレゴリオは足元の石を拾うと、少し離れた。そして



いきなり全力でジャンジャックへ石を投げた。



うなりをあげて石がジャンジャックに迫る。





だが、ジャンジャックは避けるそぶりさえ見せない。突っ立ったままだ。



『当たる!』と全員が思った瞬間、ジャンジャックから



薄い紫色の光が一瞬で広がった。



わずかに放電を伴った光の中に投石が入ったとたん、



ピタッと空中で静止した。





全員が唖然として固まった。ドライアードたちも驚いている。



石はそのまま垂直に落下して動かなくなった。





「え? 何? 今の何?? 石が空中で止まったように


見えたけど???」





エンリイも驚いて目を白黒させている。





「今のが俺の3つ目のスキル・・・『震電』だ。


この光は半径7メートルくらい広がる。効果時間は2秒に満たないな。


だが効果は見ての通り、絶大だ。この光に入った攻撃は


全て停止する。魔法も停止して消える。矢も停止して落下する。


剣でも止まる。剣はもう一度力を入れ直さないと動かない。


・・・このスキルは、どうやら歴史上俺が初めて発現したようだ。


文献は何も見つからなかった。ギルドで名前はわかったけど、


効果は俺とゴリオで手探りで調べるしかなかったから、


随分冷や汗かいた憶えがある。


これも使うと頭痛がしてくるから、1日3回までかな。


他のスキルも考えれば、全部合計でスキルは1日4回で限界ってとこか。


『ウエポンマスター』だけは常時発動でペナルティは無いけどな」





「ジャンジャックの『オーラスマッシュ』と『震電』の


コンボは凶悪だよ。初見で防げた奴は今まで1人もいない。


相打ちみたいに突撃して、相手の攻撃を『震電』で消滅させ、


完璧なカウンターで『オーラスマッシュ』をぶち込む・・・。


どんな魔物でも、大概真っ二つだ。もちろん連発できるわけじゃないから、


うかつには使えないけどな」





グレゴリオはうなずきながら補足説明をした。



さすがにまだ全員開いた口がふさがらない。



とんでもないチート級スキルだ。もちろん幸太郎も驚愕した。





(ジャンジャックは・・・こいつ、シューティングゲームの


『ボム』にあたる能力を持ってるのか!! 


これは敵にしてみれば、まさに『反則』って言いたくなるような


スキルだろ・・・。強いとは思ってたが、まさかこれほどとは・・・)








ジャンジャックはその後、普段はロングソードを使用していること、



『マジックボックス』に複数の武器が常備されてる事、



左腕にミスリルのプレート3枚が鋲で止めてある籠手を



盾の代わりに使用していることを説明してきた。








「では俺の番だな。まあ、俺はジャンジャックみたいに


沢山スキルは持ってない。1つだけだ」





グレゴリオの番になった。みんなジャンジャックの能力の説明で



度肝を抜かれたが、グレゴリオの能力説明でも



度肝を抜かれることになった。





「俺のスキルは1つだけ・・・『大鉄人』<ワンセブン>だ。


このスキルは俺の家系に発現する特殊なスキルだな。


他には見たことないし、文献にも出てこない。効果は単純。


自分の防御力を3倍、生命力を100倍にする。


タンクとしては理想的と言えるだろう」





「「「100倍ぃぃいい?!?!」」」 





ジャンジャック以外の全員が思わず叫んだ。





(いやいやいやいや、100倍って、それは無茶苦茶すぎるだろ!! 


確かグレゴリオ殿のHPは138・・・、


つまり『大鉄人』を使った場合、HP13800?!


俺は8だぞ! 発動中はほとんど不死身じゃないか!!)





「みんな驚くのも無理はないな。だが、ゴリオの『大鉄人』は


もう1つインチキみてーな効果があるんだぜ? 


以前、エルフの人狩りと戦った時の話だ。ゴリオが弓で狙撃されて


矢が目に当たったんだよ。ところがな・・・。


『矢をまぶたで跳ね返し』やがった・・・。


いや、信じられねーのはわかるけど、本当なんだよ。


どうやら単純に防御力が3倍になるってだけじゃなくて、


発動中に受けたダメージは『全て生命力で相殺』ってことらしい。


つまりこいつの生命力がゼロになるまで、


怪我らしい怪我は一切負わないってことだ。


目に当たっても平気ってのはゴリオの家系でも


知られていなかった新事実だった。


ゴリオの親父さんでさえ仰天してたぜ」





なんて無茶苦茶なスキルだ・・・。



敵にしてみたら『やってらんねえ』だろ・・・。



幸太郎は目まいがした。










(C)雨男 2022/04/19 ALL RIGHTS RESERVED





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ