表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界徒然行脚 『Isekai Walking~nothing else to do~』  作者: 雨男
ネクロマンサーとアルカ大森林 3
436/1073

エンリイと雑談 6


「ボクはギルドカードを取得した時に、特例としてD級にしてもらったんだ。


普通は『新人』、『E級』、『D級』、『C級』・・・の順番なんだけど、


すでに3年下積みしてたのを、村のギルドは見てたからね。それで、


早速ジーベックのギルドでD級ランクの依頼を探していたところ・・・。


掲示板の前で『パーティーを組まないか?』って誘われたんだ」








エンリイに声をかけてきたパーティーは3人組。男2人、女1人だった。





『これからゴブリン退治の依頼を受ける予定だが、どうも群れの中に


ホブゴブリンやゴブリンウォリアーが混じっているらしい。


せめて、もう1人、D級以上の戦力が欲しい』





このような説明をしてきた。








「ボクは快諾した。ホブゴブリンもゴブリンウォリアーも


戦ったことがあるからね」








出発は明日だというので、エンリイは準備も兼ねて、



彼らと行動を共にした。





「そして・・・。夕食を共にして、宿に戻る前に、パーティーの女の子に


自分が魔猿族だってしゃべっちゃったんだ・・・うかつだったよ」





ゴブリン退治に出発する日。エンリイは最初に聞いてた方向とは



違う方向へ向かうのを不思議に思った。しかし



『こっちは回り道だが、安全に目的地に着く』という



女の話を信用してしまった。








町から2時間ほど歩いた場所で、



前方に4人の人相の悪い男たちが現れた。



エンリイが不審に思って棍を構えると、いきなりエンリイは



『拘束』の魔法をかけられた。



魔法をかけたのはパーティーの女だった。





「ごめんねぇ~~~。うふふふ。パーティーに女がいて、しかも、


この幼い顔立ちだと、どうしても油断しちゃうわよね~~~。


でも、エンリイちゃんの自業自得よ? 


初対面の人間を信用しちゃ、だ・め・よ?」





「そんな! ボクを騙したのか!? では、この4人組は!」





「そうよぉ? この人たちは『人狩り』さんでぇーす! 


大正解~!」





「まさか・・・。君たちはいつもこんな事を・・・?」





「あったりぃ~! あたしたちはね、見慣れない上玉の女がいたら、


人狩りさんに連絡するのよ。そして、色々聞き出して


『売り飛ばして大丈夫そう』だったら罠にはめるの。


もし、手を出したらまずい相手だったら、そのまま適当に


ゴブリン退治したり、『空振りだった』ってそのまま帰るのよ。


冒険者なら『ゴブリンにやられた』とギルドに報告すれば済んじゃうから、


人狩りさんに渡しても、だーれも疑わないもん。いい商売でしょ~~?」





「なんて、ひどいことを・・・。


冒険者として恥ずかしいとは思わないのか!」





「なんとでも言いなさい。言えるのは今だけだもん。


あんたはね。特別よ。喜こんでね? 


あんたはすごい美人なうえに、魔猿族って話をしたら、


貴族の人がね『是非、奴隷にしたい。金貨80枚出そう!』ですって~!


ぼろ儲けよねっ! 今までで、ぶっちぎりの最高額よ! たまんないわぁ!


あんたは貴族のオモチャで終わるけど、いいでしょ? そのぶん、


あたしたちが幸せになってあげるっ! ね?」





人狩りたちが下卑た笑い声をあげた。










(C)雨男 2022/03/10 ALL RIGHTS RESERVED





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ