霊感オン!
「うーん。全く亡者はいないな・・・」
幸太郎はかなり森を歩いて回ったが、まだ一人も亡者は見ていない。
仕方ないので、ちょっと岩に腰を下ろして『飲料水』を唱えてみた。
「うまい。生き返るな・・・。でも近いうちに何か容器を
手に入れないとなあ」
次に『時計塔』を唱えた。地面から時計塔が生えてきた。
「ふーん。30センチ四方の正方形・・・高さは120センチってとこか」
幸太郎は自分の手で大まかな大きさを測ってみた。
時間は11時を指している。
ここで初めて幸太郎はステータス画面を呼び出してみた。
「レベル1・・・HP3・・・MP5・・・」うん、ザコ
幸太郎はステータス画面のスキルの欄をみて、あることに気が付いた。
『強制成仏』の横に『霊感』とあったのだ。もしかしたら『霊感』は
パッシブスキルじゃなくてアクティブスキルなのではないか?
「よし、『霊感』・・・あ、やっぱりこれオン、オフ切り替え
可能なスキルだ。確かに四六時中幽霊が見えていたら気が休まらないよなあ。
特に寝るときなんかは切っておいたほうがいいだろうし・・・。
では、『霊感』オン!」
いきなり幸太郎の目の前に亡者が現れた。
「ぴいっ!」
幸太郎は奇妙な声をあげて気絶した。
幸太郎はのちに語る。
『はい。想定外でした』
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