エンリイ
「うーむ・・・。メンバーが見つからない場合は4人で行くってことも選択肢の
ひとつに入れたほうがいいかもな・・・。俺がゾンビやスケルトンを召喚すれば、
戦力の足しにはなるだろう」
「そう・・・だな。下手に増やすよりいいかもな。
幸太郎の能力は1人で複数の役割をカバーできる。
はっきり言って幸太郎がいるってだけで、攻略の難易度は
段違いに下るのは間違いねえ。
4人ってのも悪くない選択肢だ」
「じゃあ、ボクをパーティーに入れてくれないか?」
1人、木の上から飛び降りてきた者がいた。
「ボクはエンリイ。C級冒険者。腕にはそこそこ自信があるよ。
これがギルドカード」
そこには、真っ赤な髪をした長身の女性がいた。
ショートカットでボーイッシュな感じはするが、
とびきり美女なのは間違いない。身長はジャンジャックより高い。
おそらく、188か、189センチはあるだろう。
宝塚がスカウトに異世界までやってきそうだ。
スレンダーな体型も背広なんか似合いそうな気がする。
しかし・・・にょろにょろと猫みたいな尻尾が生えている。
宝塚って獣人でもいいのかな?
「お前は・・・昨日、木の上で幸太郎殿をずっと見ていた女だな?」
「さすがB級冒険者。気が付いていたんだね。
ジャンジャックとグレゴリオの名前は聞いているよ。
B級冒険者は珍しいからよく憶えてる。
そうさ、昨日はずっと幸太郎サンの奮闘を見ていたんだ。・・・感動した。
それで、ボクも幸太郎サンのパーティーに入れて欲しいって
思ったんだよ。このエンリイ、仲間にして損は無いと思うよ?」
「エンリイ・・・? なんか聞いたことが・・・。
あ! エンリイか! そうか、お前が・・・」
「知ってるのか? らい・・・ジャンジャック」
「ギルドで噂だけな。ソロでC級に上がった奴がいるってんで、
『そりゃあ珍しい』って記憶に残ってた。
単独でC級になるんだ、腕は確かなんだろうさ」
「ああ・・・。俺も思い出した。
ジャンジャック、幸太郎殿、どうだろう? 時間も無いし、
C級冒険者なら条件的には申し分ないはずだ。
シェイクダウンの時に問題が無ければ、
彼女で決定でいいんじゃないか?」
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