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異世界徒然行脚 『Isekai Walking~nothing else to do~』  作者: 雨男
ネクロマンサーとアルカ大森林 2
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ぴこぴこ


 昨日の夕方、モコたちは幸太郎を置いて、



いったん新しい村へ行くことになった。



それは何も変ではない。そもそも子供たちの救出が目的だったのだから。





しかし、夜遅く幸太郎の様子を見に来たのは、



ジャンジャックとグレゴリオだけだった。








では・・・モコはその間何をしていたのか?








モコは家族全員を向こうに回して、『自分は幸太郎の旅について行く』と



頑固に説得をしていたのだ。



おそらく、ジャンジャックとグレゴリオも賛成に回ったのだろう。



そして、この時一番、幸太郎にとって痛恨だったのは・・・。



『隷属の首輪』がモコに装着されたままだったことだ。








『隷属の首輪』は、幸太郎が報酬としてモコを受け取ったこと、



幸太郎がモコを旅に連れて行く意志の表明として



モコの家族に誤解されたはずだ。








首輪がついている以上、つまるところ幸太郎が



旅に連れて行くと言ったら、逆らえないのだ。



これをモコは大いに利用しただろう。



そして、現在のバスキーやポメラの様子を見る限り、



モコに押し切られたのは明らかだ。



幸太郎は、モコを穏便に村へ置いて行く最大のチャンスを失った。








(これは・・・少し後味の悪い別れになるかもしれないな・・・)








幸太郎は小さく溜息をついた。この先の旅は危険が増えるだろう。



幸太郎は全然後悔していないが、大貴族を倒したのだ。



どこで、どんな敵ができているかもわからない。








「では幸太郎さん。今日は私たちの村へ来てください。


と、いっても、まだ家は作りかけで、キャンプなんですけどね。


子供たちの親も幸太郎さんに会いたがっていますのよ」





ポメラの声で幸太郎は我にかえった。





「幸太郎様、子供たちを助けていただいたこと、


改めてお礼を申しますぞ。


今、村ではささやかですが、宴の用意をしておりますじゃ」





「パグル長老、ありがとうございます。では有難く。


そういえば、ジャンジャックとグレゴリオに


うどんを作る約束をしていたな。夕食は、私に一品作らせて下さい。


私の故郷の料理をふるまいます」





「あら、モコが言ってた『食べたことが無い、美味しい料理』ね! 


それは興味あるわねぇ。では、料理のお手伝いさせて下さい。


あと、作り方も教えてくださいね」





「では、ダークエルフの村で食材を買っていきましょう。


あ。ユタで皆さんへのお土産に


干し肉をいっぱい買ってきました。遠慮なくどうぞ」





幸太郎は『マジックボックス』から数種類の干し肉を取り出してみせた。



ポメラもパグルもチワも、そしてバスキーも



一斉にしっぽをぴこぴこ振り出した。



彼らは正直だ。










(C)雨男 2022/02/07 ALL RIGHTS RESERVED





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