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異世界徒然行脚 『Isekai Walking~nothing else to do~』  作者: 雨男
ネクロマンサーとアルカ大森林
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スプーン


 グレゴリオは『報酬の代わりに聞かせてほしいことがある』と言ってきた。








何かと思うと『エルロー辺境伯は幸太郎の目から見て、どんな人物だった?』



という質問。



あんなサイコパスのことなど話題にしたくないが、『是非』ということで、



幸太郎は道すがら話すことにした。








馬車の御者は狸人族の姉妹が買って出てくれた。



・・・なんでもできるな、この姉妹は・・・。



幸太郎とモコ、ジャンジャック、グレゴリオで馬車の後ろをついて歩く。








「それで、どんな奴だった? エルロー辺境伯ってのは?」





「まあ・・・。子供たちを拷問して殺すサイコ野郎だから、


まともな人間じゃないけどな・・・。


わかる範囲で言うなら、『コンプレックスの塊』だったってことかな」





「コンプレックスの塊・・・?」





「ああ、自己承認欲求が異常に肥大化してた。


とにかく他人に対して劣等感があり、


『本当の自分は、もっとすごいんだ!』って思ってた。


そして、自分の評価が低いのは周囲が悪いんだって


責任転嫁していたな」





「ご主人様。エルロー辺境伯は『辺境伯』ですよ? 


クラスで言えば侯爵と同格くらいのはずです。


十分、周囲から認められてるのではありませんか?」





「本人は全然足りないと思っていたんだよ。


モコ、エルロー辺境伯の寝室を覚えているか?


そう、あのゴテゴテと過剰な装飾が目障りだった寝室だよ。


あれが端的にエルロー辺境伯の内面を表していた」





「あの寝室が・・・?」





幸太郎はジャンジャックとグレゴリオにも、



寝室の大まかな説明をした。





「例えばさ。みんな、さっきの昼食でスプーン使ったよな? 


あれは木のスプーンだった。


そこで、みんなに聞くけど、木のスプーンと金貨50枚もする


黄金と宝石でできたスプーン、君らはどっちを買う?」










(C)雨男 2022/01/24 ALL RIGHTS RESERVED





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