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異世界徒然行脚 『Isekai Walking~nothing else to do~』  作者: 雨男
ネクロマンサーとアルカ大森林
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封印決定


 幸太郎は知る由もないが、ネクロマンサーのジョブになったことで



アンロックされる魔法は、この『幽体離脱』で最後だった。



あとは基本的にどれほどレベルが上がっても、使える魔法は増えない。








ただし、死霊術の本当の恐ろしさは、そんなこととは全く別の所にある・・・。








『幽体離脱』は消費MP10。肉体から魂が離れる・・・と



『鑑定』で表示される。幸太郎は早速使ってみた。








幸太郎の魂は肉体から浮かび上がると、自在に空を飛んだ。



シェルターと焚火が眼下に小さく見える。



幸太郎はどこまで飛べるのか試してみた。








ぐんぐん高度があがる。やがてシェルターも焚火も見えなくなった。








(やばい。この魔法はダメだ。うかつに使えない)





幸太郎は今度は急降下で自分の体へ戻っていった。



自分の体に潜り込むと魔法は解除された。








魔法が解除されると、一気に疲労感が襲ってきた。汗が噴き出す。








(多分、魂が抜けた状態・・・要するに『死んだ』状態の


体の生命を維持するのに体力も使うんだ・・・。


そして、体力がなくなると・・・おそらく本当に死ぬ)








幸太郎が空を飛んでるときに、まずいと思ったのは、



『まったく体の感覚が伝わってこない』



ことだった。自分の体がどうなっているのか、全く感知できなかった。








そして、幸太郎が最も恐れたことは・・・。



この状態で『浄霊の奇跡』などをくらって動けなくなった場合、



100パーセント死ぬだろうということだった。



さらに、おそらくそれは魂だけでなく、肉体に魔法をかけられても



動けなくなる可能性が高い。



まるっきり無防備になる。太陽神の加護の効果が



適用されるかどうかは、恐ろしくて試せない。



太陽神の加護には『状態異常無効』があるが、



もし、この状態が例外だった場合、それは死を意味する。



『復活』しても結局そのまま死ぬ。








(もし・・・『浄霊の奇跡』がバリアのように張られていたら・・・。


触った瞬間にゲームオーバーだ・・・。


偵察には便利かもしれないが、


即死するリスクが常につきまとう・・・。それに、


おそらく『霊感』持ちの人には見えてるはずだ。


霊魂に効果のあるバリアや結界がどれくらい存在するのかは知らないが、


あまりにリスクが高すぎる・・・。これは使えない・・・)








封印決定。そう考えると、モコの耳の



『ソナー』による偵察は本当にありがたい。








ありがたやー。










(C)雨男 2022/01/21 ALL RIGHTS RESERVED






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