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異世界徒然行脚 『Isekai Walking~nothing else to do~』  作者: 雨男
ネクロマンサーとアルカ大森林
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殲滅する


 モコがぎょっとして、幸太郎に聞いた。





「ご主人様、あの盗賊は追手だったのですか?!」





「うんにゃ、全然。もし追手なら、あれだけの数で


俺を殺そうとはしないよ。


エルロー辺境伯の警護を全滅させているわけだし、


最低でも魔導士を何人か揃えてくるだろう。


あいつらの話も、反応も、最後まで金と女のことしか言ってない」





「ご主人様は・・・。私たちの正体がバレていると、お考えですか?」





「多分・・・バレてない。向こうがわかっているのは、


犯人はネクロマンサーと小狼族の娘ってことかな。


でも、ネクロマンサーをなんとかしない限り、


小狼族に手出しはできないって思うように仕向けてある。


ただ・・・俺は頭が悪いから、


なにか思いもよらぬ失敗をしている可能性はある、と考える。


だから、警戒は解かないよ」








エルフの女性が質問した。





「もし・・・。追手がきたら?」





幸太郎は平然と言った。





「殲滅する」





エルフの女性2人が息をのんだ。





「もっと、袋小路みたいな、逃げ場がないように見える


場所へ誘い込む。俺たちを追い詰めた、


と思うような場所がいい。1人も逃がさん。


あのクソヤローの味方をして、


モコや子供たちを殺そうっていうなら誰であろうと、


絶対に逃がさん。言い訳も聞かん」





「ご主人様・・・」 モコは目をうるうるさせてうっとりしている。








エルフの女性が溜息をついて言った。





「追手は来ないほうがいいわね・・・。


なんかもう、追手のほうが可哀そうに思えてきたわ・・・。


幸太郎さんがエルロー辺境伯を倒したっていうのは納得。


さっき、盗賊が来る前に『マジックボックス』から


机と椅子を出してましたよね?


あれ、盗賊に『マジックボックス』が警戒されるのを避けたんですよね?


あの短時間にそこまでシナリオを描いて、完全に最後まで


盗賊は幸太郎さんの筋書きから一歩も外に出れなかった・・・。


盗賊は私たちにちょっかいかけてきた瞬間に


全滅までのルートが確定していたわけよね・・・。


一番恐ろしいのは、最初の6人が死ぬまで、


彼らは幸太郎さんに操られていることに


気が付かなかったこと・・・」










(C)雨男 2022/01/18 ALL RIGHTS RESERVED





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