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異世界徒然行脚 『Isekai Walking~nothing else to do~』  作者: 雨男
ネクロマンサーとアルカ大森林
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むふーん


 幸太郎は食事中にエルフの女性2人から、



先ほどの作戦について、いくつか質問された。



だが、なぜかモコが鼻息も荒くドヤ顔で幸太郎の前に出た。





「幸太郎さん、なぜ、私たちに壊れた首輪を装着させたの?」





「それは、首輪を付けることで、盗賊に『敵』ではなく『戦利品』と


認識させるためだったのです! ご主人様を殺せば女性は全て手に入る、


という『心理的な罠』をしかけたのですよ!」 フンス





「確かに、盗賊たちは私たちをジロジロ見た後、


全く私たちに注意しなくなったわね」





「そうです! さらにご主人様が命令したら女性は全員逆らえない、


という誤解を盗賊に与える効果もあったのです!」





「なるほど・・・。最後、幸太郎さんが1人だけ逃げるふりをしたとき、


盗賊は私たちが見てるのに『気付かれないように回り込め』なんて、


間抜けなこと言ってたわね・・・」





「まだまだあるのです! 全員が首輪を付けたことで、


盗賊の交渉相手はご主人様だけになったのですよ! 


みなさん気が付きましたか? 最初の金貨の袋は罠じゃないかって


盗賊は警戒してたのに、馬車の中の金貨の袋は


地面に落ちる前にキャッチしましたよね?


私が何か仕掛けるんじゃないかって警戒が


完全に無くなってた証拠です!」








モコは大いばりで、幸太郎の代わりに答えた。むふーん。








「ま、まあその通りだよ。全ては盗賊の警戒を解いて、


安心させるためさ。


盗賊はこの『時計塔』の柵を開けろって言わなかっただろう? 


それは、この柵がある限り、俺たちからいきなり


斬りかかられる心配がないって思っていたからだよ。


そして女性全員が首輪をしていれば、


俺さえ殺せばこの柵は逆に中の人を逃がさない檻になる、


という計算をしていたはずなんだ」





「そういえば・・・。盗賊は柵を開けろって


誰も言わなかったですね・・・。


この柵は盗賊から見ても都合のいいものだったんですね・・・」





「こちらが心配することは2つ。


1つは遠距離からいきなり弓を撃たれること。


2つ目は伏兵の存在。だから、弓の射程圏内に入る前に、


丘の上から見えるよう降伏のポーズをしたんだよ。


心理的な先制攻撃ってとこか」





「では、後の芝居は全て伏兵がいるかどうか確認するためだけに?」





「伏兵の確認をしたかったのが、主な目的だったけど・・・。


もう一つ、大事な目的があったんだ。


盗賊が何を目的として襲ってきたか、だ。


俺とモコは子供たちの救出のためにエルロー辺境伯と


奴隷商人のブロトをぶちのめした。


つまり、『盗賊なのか、追手なのか』を確認したかった」










(C)雨男 2022/01/18 ALL RIGHTS RESERVED






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