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異世界徒然行脚 『Isekai Walking~nothing else to do~』  作者: 雨男
ネクロマンサーとアルカ大森林
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アニソンがある限り


 夕食は再び野菜と肉がたっぷりのスープ。



そして、パンと干し肉、果物だ。








しかし・・・。ここでひとつ異変が起きた。








子供たちがポロポロと泣き出したのだ。モコが何故泣くのか聞いていたが、



みんな『わからない』という。幸太郎は心当たりがあった。








おそらく、盗賊が襲ってきたことで、人狩りに襲われた



記憶が刺激されたのだろう。



そして、それらが撃退され、安全になったことで、



『自分は本当に救出されたのだ。もう安心なのだ』という



実感がわいてきたのだ。



張りつめていた緊張の糸が切れて、本当の自分が戻ってきた・・・。



これは喜ぶべきことだな、と幸太郎は思った。








子供たちが泣くので、モコと女性陣がおろおろしている。でも大丈夫。








「なぜなら、俺にはアニソンがある!!」








幸太郎は立ち上がると、いきなり歌い始めた。





「まずはアンパンマンマーチ!」 伴奏が欲しい。





「さらに、ウルトラマン80!」 コーラスが欲しい。『アー!』





最初はあっけにとられていた女性陣。



しかし、だんだん彼女たちも泣き始めた。



アニソンは人生の応援歌。その人に辛い事、悲しいことが多いほど、



心に響く。幸太郎は高らかに宣言した。





「俺の胸にアニソンがある限り、


俺の心は立ち上がる力を失ったりしない!」





最後は子供たちも幸太郎をマネて歌い始めた。



全員が泣きながら歌った。他人が見たら奇妙に映るだろう。



だが、そんなことは知った事か。アニソンがある限り、



愛は決して滅ばない。








子供たちに笑顔が復活した。これがアニソンの力だ!





「よし、夕食にしようか。食材はたくさん仕入れてきたから、


好きなだけ食べていいよ」





笑顔のある食事の風景が戻った。子供たちも元気に干し肉を噛み切った。








『バツン』










(C)雨男 2022/01/16 ALL RIGHTS RESERVED






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