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異世界徒然行脚 『Isekai Walking~nothing else to do~』  作者: 雨男
ネクロマンサーとアルカ大森林
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連携と挑発


「ちくしょう!」





盗賊のお頭は叫ぶと、ブロードソードをスケルトンに叩きつけた。



スケルトンは盾で受け止めたが、耐えきれずに



バラバラになって吹っ飛んだ。





「けっ、大したことねえぜ!」





だが、幸太郎もお頭も、恐ろしい光景を見ることになった。





バラバラになったスケルトンの骨や武器が、



すぅっと舞い上がると『カチャカチャ』と



乾いた音をたてて、再び組みあがっていく。





「そ、そんなのアリかあああ!?」





幸太郎も驚いていた。





(これは・・・思った以上に倒しにくい奴だな・・・。


耐えきれない攻撃には、あえてバラバラになって


ダメージゼロにすることができるのか・・・)








そして、さらに恐ろしい光景が展開された。3体のスケルトンが、



全員同時にケタケタと笑い出したのだ。



まるでお頭の攻撃をあざ笑うかのように。



自我が無いはずだが、完全に挑発している。





「くそぉ! くそぉ! だったら粉々にしてやればいいんだろ!」





お頭は完全に頭に血が上ったようだ。と、そこへゾンビが1体、



のろのろとお頭へ迫っていった。



お頭はブロードソードを振り上げるとゾンビへ振り下ろす。





「くたばれ!」





幸太郎はさらに驚かされた。ゾンビは首をひねって



頭部への一撃をかわす。剣が肩に食い込むと、



なんとお頭の剣と手を抑えて、剣が肩から抜けないように



押さえつけたのだ。





「な、なんだと?! はなせ! この!」





すかさずスケルトン3体がお頭へ襲い掛かる。



地面に倒れたお頭の顔は、恐怖に歪んだ状態で固まっていた。








幸太郎は、再びアステラの言葉を思い出していた。





『あんたに由来する知識や賢さが』・・・。





まさか、こんな挑発や連携までやってのけるとは・・・。








「終わりですね。他に付近に物音は聞こえません」





なぜか、モコだけが平然としている。



女性陣はみんな『うわあ・・・』という顔をしていた。










(C)雨男 2022/01/16 ALL RIGHTS RESERVED






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