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異世界徒然行脚 『Isekai Walking~nothing else to do~』  作者: 雨男
ネクロマンサーとアルカ大森林
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俺は小心者なんだ


 幸太郎はゾンビ3体、スケルトン3体を呼んだ後に、



『インビジブル』を使ってみたのだ。



『インビジブル』に鑑定を使うとこんな説明が出た。





『召喚したゴースト、ゾンビ、スケルトン全体に見えなくなる魔法をかける。


攻撃を命じると効果は解ける。必要MP10』





幸太郎は柵の外にゾンビやスケルトンを召喚すると、



それぞれ距離を置いて立たせてみた。



そして、『インビジブル』を使ってみた。効果範囲はどれくらいだろう?





結果はすごいものだった。全部透明になった。



もちろん幸太郎には、どこにいるか『見える』 



どうやら距離に関係なく、幸太郎が召還したもの全体に効果があるらしい。








幸太郎たちの芝居で盗賊が丘から降りてきたとき、



すでにゾンビとスケルトンは彼らを包囲していたのだ。



1人も逃がすつもりはない。








「ぐわあっ!!」





盗賊の悲鳴があがった。



ゾンビに首を噛みつかれた者、スケルトンの剣が首に



食い込んだ者、いずれも致命傷だ。これで残り5人。もう勝負あった。








幸太郎はスケルトンの動きに注目していた。



スケルトンはショートソードに丸い盾を装備。



動きは思ったよりスムーズだ。そして・・・意外と強い!








盗賊の剣を盾で『受け止める』のではなく、『はじいて』いた。



そして、相手が盾を構えると、容赦なくスネや太ももを狙う。



もちろんカルタス達には比べるべくもないが、十分強い。



盗賊たちはみるみる傷だらけになって死んでいく。



幸太郎はアステラの説明を思い出した。








『あんたに由来する知識や賢さが』・・・。








「くそお! 騙しやがったなあ!!」





最後に残った『お頭』が叫んだ。





「うるさいから叫ぶな・・・。弓を使われたくなかったんでね。


悪く思うなよ。


ああ、命乞いはしなくていい。俺は小心者なんだ。お前を逃がして、


その結果モコたちが死んだりしたらと考えると、


お前を逃がすという選択肢は絶対に無い。


いいだろ? お前たちも俺たちを逃がす気は無かったんだから。


まさか自分だけは例外なんて言わないよな? ん?」










(C)雨男 2022/01/16 ALL RIGHTS RESERVED






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