番外編 地獄のロッカールーム 3
「ま、まあ、ちょっと見てくれ」
「おお・・・? これは! 青鬼よ、こいつは、
またスゲエもん持ってきたな・・・」
「わかるかい?」
「もちろんだ! こいつは霊界一の金棒販売数を誇る、
『イノセント社』製・・・。
そのフラッグシップモデルの『ギルティ インフィニティ』シリーズ。
しかも、この色は『オーガー・ウッズ』がマスターズトーナメントで
使用した限定10本の『マスターズトーナメントモデル』だ!」
「詳しいな。もしかして・・・」
「そうさ、実は、こっちと迷ったのさ。
最後は嫁さんの好みに合わせたんだが、
破壊力はこいつの方が上だからな。ちょっと振っていいか?」
赤鬼はブンブンと金棒を振ってみた。
「うおお! こっちもスゲエな・・・。しびれるぜ。
グリップがまるでオーダーメイドみたいにしっくりくる・・・。
グリップを握った瞬間に、金棒の先端まで気がみなぎるのがわかるぜ・・・。
まるで使用者の気持ちを汲み取ってくれてるかのようだ・・・。ううむ、
これならどんな重犯罪者でもジャストミートで地平線までかっ飛ばせるだろう。
さすがは『飛びのイノセント』社製だ!」
「俺もちょっと、カッコいいところ見せたくてな・・・。
ローンで買っちゃったんだ。
そ、そして、この勢いで、お、鬼子さんにプロポーズしようかと
思ってるんだ・・・」
「そいつはいい考えだ。メディアの取材の時に、
きりっとしたところ見せてやろうぜ。
そうだ、左鬼さんと右鬼さんにポマードちょっと借りよう!」
赤鬼と青鬼は、左鬼と右鬼を探した。そして、驚くべき事実を知る。
「えっ!? あのポマード、閻魔様のものだったの?!」
閻魔も髪とヒゲがテカテカになっていた。キリッ。
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