うどぅーん
昼食のメニューは大好評だった。
「これ『ウドゥン』っていうの? おいしいね!」
「細長くて不思議な食感・・・。スープとからんでいい味・・・」
「スープも・・・。干した小魚と鶏ガラを煮たんですか?
『出汁』・・・?」
「お肉もいっぱい入ってるよ!」
幸太郎の作ったうどんは、完全に『ちゃんこ鍋』になってしまった。
野菜と肉をたくさん放り込んだ結果だ。
「ご主人様・・・。この『マヨネーズ』っていうものも・・・
すごくおいしいです。料理だけじゃなくて、パンにつけてもおいしいですね」
「まあ、素人が初めて作ったものだから、出来は今一つなんだが。
でも、この『マヨネーズ』は俺の故郷でも
最強の調味料の一つとされていたからな」
幸太郎の頭では複雑な料理は無理だ。何しろ
『バター醤油とマヨネーズをつければ、たいてい何でも美味しくなる』
程度の認識しかない。幸太郎の頭はぽんぽこぷーだ。
元奴隷の女性陣は全員作り方を聞きたがった。
異世界の料理が珍しいのだろう。
「すごい・・・。すごい、この料理・・・。
子供たちがあんなに野菜をいっぱい食べてる・・・。
これ、もう料理の革命と言っていいですね・・・。
村のみんなにも是非、教えなくちゃ・・・」
モコも気に入ったようだ。うどんの異世界への布教に成功した。
しかし、幸太郎はそっと両手を合わせて香川県人に心で謝った。
(この程度のうどんしか作れなくて、ごめんなさい・・・。
どうか、こっちの世界へ転生して、正しいうどんを広めて下され・・・)
幸太郎はラーメンも作りたかったが、麺の作り方を覚えていない。
「くそう・・・。ラーメン三銃士さえ、ここにいてくれたら・・・」
ないものねだりしても仕方がない。
幸太郎はせっせと鍋いっぱいにマヨネーズを作ったが、
さすがにギブルスを入れて17人だとあっと言う間に無くなった。
とほほ。
さて、問題は『デザート』だ。
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