魔法とスキル 10
「幸太郎君、さすがにそれは無理ですよ。生活魔法みたいなちょっぴりしか魔力を
消費しないものなら、でっちあげのなんちゃって配線で加護に繋げることは
できますが・・・。火や風のような『元素魔法』は系統が違いすぎるから
不可能です。まして死霊術となれば・・・」
「うーん、確かに太陽とは正反対な気がしますね・・・」
チートの夢はあっけなく散った。
(まあいいか。勇者や英雄になるわけでなし。聖者や賢者にもならない。
何人もの美女を引き連れてハーレムを作ることもない。
世間の片隅でひっそり目立たないように成仏させてまわる。
それがアステラ様からの『御用』だから。あとは徒然なるままに、
こっちの地球の観光でもしよう。うん)
「ではアステラ様。幸太郎君に太陽魔法と生活魔法、
そして『神虹』を授けましょう」
ムラサキがちゃぶ台を隅へ寄せた。そして二人が『ぐるっ』と
幸太郎へ顔を向けた。
「へ? ま、まさか・・・」
この展開は?!
(やばい!)
幸太郎はとっさに逃げようとしたが、右足首をムラサキに掴まれた。
すごい力だ。
「まあまあ、落ち着きなさいよ、幸太郎・・・」
アステラがにちゃあと笑った。
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