正体がわかった
幸太郎はギブルスに『7ならべ』『ポーカー』『ブラックジャック』
『ババ抜き』を教えた。
「ほう・・・。この『ポーカー』と『ブラックジャック』は
ギャンブルで使うゲームとな? うむ、今ギャンブル場で主流の
ダイスゲームより戦略が複雑で面白そうじゃのう。
ひっひ。よし、早速『説明書』に書き加えよう」
ギブルスは幸太郎の作った料理にも興味をひかれたようだ。
「ふーむ。これはマヨネーズという調味料・・・。
この細長いのがうどん・・・。寸胴鍋の小魚と鳥ガラは
出汁という技法を使っておるのか・・・」
ギブルスは全て味見をした後、いきなり恐ろしいことを言った。
「ひっひ。どうやらお前さんの正体がわかったぞ。面白い、面白い。
にわかには信じられんが、まあ、間違いあるまい。
あー。今は言わなくていいぞ。
答え合わせはアルカ大森林でやろうかの。くっくっく」
「は、はは・・・。まったく恐ろしい人ですね、ギブルスさんは・・・。
ええ、アルカ大森林で全部説明するとしましょうか」
「楽しみにしておるぞ。どんな話が聞けるのか。
面白い、面白い。ひっひ。おお、そうじゃ。お前さんに報告じゃ。
さっき門が開いたぞ。全部の門がな。
やはり、警備隊も商人ギルドや冒険者ギルドの圧力には耐えきれん。
それと、どうやらジャンジャックとグレゴリオが
何やら警備隊に吹き込んだようじゃ。
警備兵の大半は家に帰っていきよった。
門の番兵の数は普段以下に減っておるわ」
幸太郎は舌を巻いた。やはり、とんでもなく耳が早い。
それに『商人ギルドの圧力』は、
つまるところギブルスが焚きつけたのだろう。
(C)雨男 2021/12/31 ALL RIGHTS RESERVED




