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異世界徒然行脚 『Isekai Walking~nothing else to do~』  作者: 雨男
ネクロマンサーVSエルロー辺境伯 4
312/1070

夕方まで待とう


「じゃあ、俺たちは『ホーンズ山脈群』に化石ってやつを


探しに行く準備を始めようか」





「そうだな。先日のレッド・サーペントの肝を取りに行くときに、


途中で石になった貝殻を見た覚えがある。あれが化石のようだ。


あの近辺を探してみよう」





ジャンジャックとグレゴリオは立ち上がった。





「ま、待ってくれ! せめて警備の巡回計画ができたら


見てほしいんだ!」





「ええ? 警備隊の仕事だし、俺たちが口出ししていいものじゃねーだろ」





「頼む! 今夜に備えるってことさえ、俺たちは頭が回らないほど


混乱しているんだ! 誰かに冷静な目で見てもらいたいんだよ! 


これ以上失態を重ねるわけにはいかないんだ!」





「いや、しかしな・・・。俺たちにも予定が・・・」





「まあ、待て、ジャンジャック。警備隊の苦悩もよくわかる。


昨夜はネクロマンサーに最初から最後まで


やられっぱなしだったわけだしな。結果論だが、後手に回った。


しかし、今夜はそういうわけにいかん。


可能な限り手を打ちたいのだろう。


だが、警備隊は全員徹夜でクタクタだ。これでは頭が働かない。


どうだろう、ジャンジャック。


せめて夕方の門が閉鎖される直前まで待ってやろうじゃないか。


俺たちなら、それぐらいの遅れは取り戻せるさ」





「ん~・・・。ま、いいか。わかったよ。


と、言うわけで俺たちは夕方まで宿にいるから、


そっちに来てくれ。あんたらは、まず寝るんだぞ?」





「感謝するよ! さっそく上に報告して、


一部を残して寝るように進言する。俺も冒険者ギルドに


話を通したら寝ることにする。夕方までには警備計画を


まとめて持っていくから、その時アドバイスを頼むよ」








ジャンジャックとグレゴリオは警備隊の詰め所を出た。





「だいたい予定通りだな?」





「ふふ、お前は本当に演技が上手いな」





「ゴリオだって、ノリノリだったじゃねーか」








2人で笑った。










(C)雨男 2021/12/26 ALL RIGHTS RESERVED





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