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異世界徒然行脚 『Isekai Walking~nothing else to do~』  作者: 雨男
ネクロマンサーVSエルロー辺境伯 4
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嘘なんか言わねえぜ


「その2人組が問題なんだよ・・・。


お前たちは昨日起きた事件の噂はどこまで聞いている?」





「あん? えーと、俺らが遭遇した黒フード逃亡だろ? 


んで、エルロー辺境伯が殺された。死体が歩き回った。


ゴーストが飛んでた。奴隷商人のブロトもやられたって聞いたぜ。


こんなとこか?」





「まあ、だいたいその通りなんだが、他にも細かい事件はいくつかある。


金をじゃらじゃら持った奴隷が逃げ回って、


まだ全員は捕まっていない、とかな。


さしあたって一番最初の問題は『本当は何人組か?』ってことなんだ」





「黒フード以外に、他にもいるのか?」





「いるらしいのだが・・・。よくわからんのだ・・・。


そもそも時系列・・・事件の順番がはっきりしないのだ」





「エルロー辺境伯が殺された。黒フードが逃げた。


これでいいんじゃねーの?」





「まだブロトの件があるだろうが」





「ああ、じゃあエルロー辺境伯の次でいいんじゃねーの。だめか?」





「ここが不明なんだよ。実は辺境伯の屋敷のメイドは、そろって


『失敗だ。逃げるぞ。はぐれたらカーレで落ち合おう』


って言葉を聞いたと証言している。


冒険者ギルドから『魅了』を持ってる奴を借りてきて


2人ほど試してみたが、嘘じゃなかった」





「じゃあ、その後カーレへ逃げる所に俺らが出くわしたってわけだな」





「それがそうとも言い切れなくて・・・。


ああ、もう! 話が進まねえ!


ここからは俺の独断で進める! はっきり言う。


お前らも昨日気づいていたと思うが、


上層部にはお前らを黒フードに雇われたと疑っている人たちもいるんだ。


だけど、正直俺はお前らはシロだと思ってる。


お前らが辺境伯の屋敷の襲撃に参加してたって説は


無理がありすぎる! だから俺は全部話す。


だからお前らも知ってることは全部話してくれ。頼む!」





「ああ、もちろんだ! 俺たちは嘘なんか言わねえぜ!」








ジャンジャックとグレゴリオはウインクして親指を立てながら嘘をついた。










(C)雨男 2021/12/24 ALL RIGHTS RESERVED






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