4日。まともな寝床
幸太郎はその後、少しギブルスたちと雑談していた。
ガーラとタマンやメイドに今回の話を聞かれても大丈夫なのか?
という質問にギブルスは笑って答えた。
「こいつらは変わり者でのう。わしの所で働いておる方が面白いんじゃと」
「旦那様に言われたくないですよ・・・。
まあ、単にお金を稼ぐだけなんて味気ないですから、
旦那様についていく方が面白いのは確かです」
メイドに至っては『またか』という反応だという。
『またか』って・・・。
ギブルスは『城塞都市カーレ』にも店を持っていて、
そちらにはアカジンとミーバイという、
やはり変わり者が働いているという。
明日からは注文の仕入れなどでユタとカーレを
往復することになるそうだ。
「しばらく、今日入った注文をさばくから、お前さんの
いろんな事情や説明はアルカ大森林で聞くわい。
どの道、香辛料や砂糖、岩塩も仕入れにゃあならんからの。
ひっひ。幸太郎、お前さんはしばらくアルカ大森林で待っとってくれ」
「了解です。当分はアルカ大森林で大人しくしていますよ」
ふと見ると、モコがゆっくり船をこいでいる。
「ふむ。今日はお前さんたちは大活躍じゃったからの。
ひっひ。そろそろ寝るといいわい。
ガーラ、タマン、発注予定と在庫確認はあっちの部屋でやるぞ」
幸太郎はギブルスにお礼を言うと、
うつらうつらしたモコを連れて、隣の部屋へ向かった。
考えてみれば、幸太郎は地上へ降りて、まだ4日だ。
(しかし、今日はずいぶん無茶をしたな・・・。知り合いも一気に増えた。
・・・。うん、頭が働かない・・・。まともな食事・・・野宿じゃないし、
今日はとにかく・・・寝よう・・・。
また・・・明日・・・やる、こ、と、が)
幸太郎は朝まで目が覚めなかった。
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