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異世界徒然行脚 『Isekai Walking~nothing else to do~』  作者: 雨男
ネクロマンサーVSエルロー辺境伯 3
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唯一説明がつきそうな説


「あ、ああ、すまないな。いただこう・・・」





騎馬隊の隊長は交互にジャンジャックとグレゴリオの顔を見た。



もう『疑ってます』がありありと浮かんでいる。








(門を出る前の大雑把な報告では、犯人はフードと仮面を被った


ネクロマンサーと獣人の娘・・・。これは屋敷のメイドの証言が


全て一致しているらしいから間違いないだろう・・・。


ジャンジャックはまだしも、グレゴリオの巨体では変装は無意味・・・。


では襲撃のあと、こいつらは屋敷に入らず、すぐに別行動で防壁の外へ?


・・・だめだ。やっぱりグレゴリオは絶対見ればわかる・・・。


足だってとても警備兵を振り切る速さではないだろう・・・。)








ジャンジャックは凛々しい顔で、吹き出しそうなのをこらえていた。








(いや、違う、こいつらが釣りをしていた証言はすぐに取れるはず。


つまり、まず釣りをしていた後、暗くなってから防壁を上って町へ入る。


そして屋敷の襲撃に参加して、急いで再び防壁の外へと・・・)








「絶対に気づくわあああああ!!」








「お、おい、本当に大丈夫か? さっきからなんか変だぜ? 隊長さん」





ジャンジャックは『親身になって』心配している顔をした。





(全く悪ふざけが好きだな、ジャンジャックは・・・)





グレゴリオも、吹き出しそうなのをこらえていた。



途中から考えがまとまらなくて隊長の顔は



クルクルと百面相を繰り返していたからだ。



部下の2人は見て見ぬふりをしていた。もう隊長が疑っているのが



バレバレだが、今さら止められない。








グレゴリオは自分の巨体が『隠密行動に向かない』ことを



逆手にとっていたのだ。グレゴリオは夕方から焚火のそばを



一歩も離れていない。だから行商の人たちにも、



必ず記憶に残っているだろう。



『焚火の側で、でかい男が釣りをしていた』








隊長がこの2人にこだわる理由は簡単だ。



この2人が襲撃に参加していれば、



警護66名と魔導士2名の全滅がなんとか説明がつくからだ。



つまり、自分の『そうだったらいいな』という願望である。



しかし、現状、唯一説明がつきそうな説なのだから仕方ない。



・・・どれだけ正解に近づいた気がしても、



永久に到達できない説ではあるのだが・・・。










(C)雨男 2021/12/19 ALL RIGHTS RESERVED







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