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異世界徒然行脚 『Isekai Walking~nothing else to do~』  作者: 雨男
ネクロマンサーVSエルロー辺境伯 3
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陽動開始


 時は少し遡る。



幸太郎がエルロー辺境伯の屋敷から、アザラシゴーストを飛ばしたところだ。








ジャンジャックは、ユタのカーレ方面の門付近の茂みに身を隠していた。



すでに魚は目標の20匹を超えて30匹近くなったので、十分と判断していた。





「そろそろ屋敷の襲撃が始まったころ・・・。


いや、もう終わりかな・・・?」





ジャンジャックはじっと息を潜めて待つ。必要とあらば、何時間でも待つ。



ジャンジャックとグレゴリオが一流の冒険者である証明だった。








(来た!)









アザラシゴーストが門の上空あたりをくるくると大きく回る。



防壁の上にいる番兵たちから驚きの声があがった。



ジャンジャックは黒いフードのついた服を着て、仮面を装着。



カカシにも黒いフードの服を着せている。カカシを茂みに隠すと、



もう一度慎重に周囲を確認する。門はとっくに閉まっている。








門の閉まる時間に間に合わなかった旅行者や行商人は、



門の前にキャンプを張る。どの道、朝まで門は開きはしないが、



門の前にいれば防壁の上の番兵から、



弓の援護くらいは受けられるかもしれないからだ。








(みんなゴーストに気を取られているな・・・)





ジャンジャックは『マジックボックス』から



布を巻いた3本フックの投げアンカーを取り出す。



それを慎重に防壁の上に投げた。



布を巻いたせいで大きな音はしなかった。



もちろん、ここで気づかれても、それはそれで構わない。





(誰も気づいていないか・・・。ま、いい)





ジャンジャックはロープを引っ張り、投げアンカーが



防壁にしっかり噛んだことを確認した。ロープをするすると上る。



ジャンジャックが防壁に上っても、誰も気が付かなかった。



しかし、これは大通りの騒ぎのせいだ。



大通りの上空から地面すれすれまで、



数十体ものゴーストが飛び回っていたのだ。



店の店員から、客まで悲鳴を上げて大混乱している。



逃げる者、隠れようとする者、椅子やテーブルに躓いて転倒する者、



剣を抜いて振り回す者、祈る者・・・。










(C)雨男 2021/12/18 ALL RIGHTS RESERVED






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