魔法とスキル 5
「それとゴーストは言葉でも命令できるけど、あんたが思ったイメージを
直接流し込んだほうが細かく動いてくれるわよ」
「ふむふむ。自我が無いから自己判断能力が弱いのですね」
「でも逆にあんたが『コール・ゾンビ』『コール・スケルトン』で呼んだ
ゾンビやスケルトンはある程度は自己判断で動いてくれるわ」
「自我が残っているんですか?」
「そうじゃないわ。実はゴーストもゾンビもスケルトンも呼び出せる死霊に
変わりはないの。違うのはゾンビやスケルトンはあんたの魔力を消費して
ハリボテの『ガワ』をつけてるってこと。平たく言えばぬいぐるみね。
でも、そのせいであんたに由来する知識や賢さが少しだけ備わっているってわけ」
「うわ、可愛くない ぬいぐるみですね・・・」
「そりゃあ仕方ないわよ。だってその呼び出したゴースト本人の死体って
どこにあんのよ? 何年前? もう跡形もないんじゃない?
それでゾンビやスケルトンで出てこいって命令したら後は被り物して
出てくるしかないじゃん。その被り物をあんたの魔力で作ってやんのよ」
「夢も希望もない・・・。いや、元々死霊術にそんなもの無いですけど・・・」
「でも、逆にそれだからいいのよ。そして、だから怖いのよ。あんたの
知識や賢さに比例して、ゴースト本人の賢さに関係なくゾンビやスケルトンは
強くなっていくわ」
「うーむ。・・・でも、これ聞いてて良かったです。これを知らなかったら
ゴーストとかの動かし方が全くわからなかったと思います」
「まあ、あとは実地で試しなさい。でも『死体操作』とかの魔法は
出番がないことを祈るわね・・・」
「うへえ・・・それはさすがに気持ち悪いですね・・・」
「では、あとは幸太郎君に太陽魔法と生活魔法を授けますね」
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