表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界徒然行脚 『Isekai Walking~nothing else to do~』  作者: 雨男
ネクロマンサーVSエルロー辺境伯 3
272/1069

紳士の条件


「私は紳士などではございません。ただの田舎者です。


・・・本当の『紳士』とは、


そちらのイネス様のような方のことを言うのです。


ファルネーゼ様は『紳士の条件』というものをご存知でしょうか?」





ファルネーゼは首をふった。





「私のいた世界では、次のように言われております。



※ 『挙措において簡素』



  『言語において細心』



  『熱狂において慎重』



  『絶望において堅忍』 



これが『紳士の条件』です。


イネス様は辛い絶望の日々の中でも、決して心は折れなかった。


いつか、必ず風が吹くと耐え続けたのです。


そう、暗い闇の中でも『いつか、必ず夜は明ける』と信じ続けたのですよ。


並大抵の人間にできることではございません。真に尊敬できるご婦人です」





「そんな・・・私は・・・何も・・・」





イネスの目から涙がこぼれた。





「イネスは・・・今の言葉で報われたと思います。


ネクロマンサー様は不思議なお方ですね・・・。貴族よりも貴族らしく、


そして、逆に全く貴族らしくない・・・。


この世界にあなたのような方がいるとは知りませんでした」





「私のことはお忘れ下さい。ファルネーゼ様。


私はただの平凡な田舎者です」





「また・・・お会いできますか?」





「いえ、それはかないません。この別れは死と同じです。


二度とお会いすることはないでしょう。では、さようなら・・・。


あなた方に太陽神アステラ様のご加護がありますように・・・」








幸太郎は深く頭を下げてからドアを閉めた。モコがうなずく。



そう、まだ幸太郎たちには終わっていないのだ。



『ブロトをぶちのめす』










※ オーギュスト・ヴィリエ・ド・リラダン著 『サンチマンタリスム』










(C)雨男 2021/12/14 ALL RIGHTS RESERVED






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ