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異世界徒然行脚 『Isekai Walking~nothing else to do~』  作者: 雨男
ネクロマンサーVSエルロー辺境伯 3
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エルロー辺境伯の最期


「子供たちも助けてと言ったんじゃないのか・・・? お前は何と返答した?」





「た、頼む! 今日から心を入れ替える! 助けてくれ、懲りた、本当に懲りた! 


もう獣人たちも差別しない! もうしない! 子供たちも殺さない! 


絶対だ! 絶対! な? な? 頼む、後生だ、命だけは・・・」





「アホう。時間稼ぎが見え見えだよ。


指輪の効力が復活するのを待ってるんだろう? 


こっちも子供たちを下ろして服を着せなきゃならん。


そろそろ・・・死ね」








幸太郎はモコに『命令』した。





「モコ、待たせたな。命令だ。そいつを殴れ。


子供たちと・・・死んだ村の人たちの分までな!」





「承知いたしました! ご主人様!!」








モコは胸が熱くなった。嬉しかった。



体の奥から力が湧いてくるのを感じた。





(ご主人様は、本気で私たちのために怒って下さる・・・。


本気で悲しんで、本気で子供たちを心配して下さる・・・)








「死ねっ!! 外道がああああああああああああああ!!!!!」








ついにエルロー辺境伯にも断罪の時は来た。モコは再び全力で殴りだした。



もう『離脱』も『身代わりの指輪』の効果も消失している。



エルロー辺境伯は声もだせず、すごい勢いで顔がボロボロになっていった。








幸太郎は子供たちの猿轡を切る、そして天井から順番に降ろして服を着せた。



服と靴がぶかぶかなので、あとでモコに『装着』をかけてもらわないと。



とりあえず、全員に『洗浄』をかけてまわる。





「モコ、そろそろ脱出しよう。ギブルスさんが心配するだろう。


こっちは、まだブロトの馬鹿へツケを払わせる作業が残っている」





「了解です!」





モコは床に落ちていたナイフを、ためらわずに



エルロー辺境伯の胸に突き立てた。



そのナイフは今まで何度も哀れな子供たちを切り刻んできたのだろう。



だが、最後は持ち主の胸に突き刺さった。










(C)雨男 2021/12/14 ALL RIGHTS RESERVED






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