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異世界徒然行脚 『Isekai Walking~nothing else to do~』  作者: 雨男
ネクロマンサーVSエルロー辺境伯 3
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モラルが低い


 モコはフードを被ったまま、事態の推移を見守っていた。



そして、心の中で驚愕していた。





(まさか、ここまでご主人様のシナリオ通りに事態が展開していくなんて・・・)





モコは幸太郎の説明を思い出していた。








「普通にやっても、絶対に門は開かない。ではどうするか? 


『理由』を作ってやることだ。


1つ目の『理由』は奇襲をしのぎ、不審者が倒されたという安心。


2つ目の『理由』は俺たちが驚きの声を上げることで、


その驚きの内容を知りたいという好奇心と、


仕事上の知らねばならないという義務感。


2つ目の『理由』が門を開けたいという欲求を生み出す。


そして、1つ目の理由がその欲求を肯定する。


仲間が集まってくれば、自然と気も大きくなる。


仲間の数が多ければ多いほど、個人の責任があいまいになる。


好奇心か、義務感か、そのどちらかで門を開ける奴が必ずでてくる」








(ご主人様の用意したお酒の樽が、


『なぜ2つなのか』も、その通りになった・・・)








「そもそもの話、エルロー辺境伯の警備兵はモラルが低い奴ばかりだ。


これは絶対、そうだと言い切れる。なぜなら正義感が強いような奴なら


エルロー辺境伯が子供をさらってきて、


拷問して殺していることを黙認しているわけがない。


『好きで警護しているわけじゃない』と言い訳する奴もいるだろうが、


それならこの仕事を辞めたっていいわけだ。


『給料がいい』と言い訳するなら、子供たちが殺されることと、


自分の賃金を比べて、金のほうが大事だって言ってるのと等しい。


もしくは自分の頭で考えることを放棄して、


ひたすら上司の言ってることだから、と


善悪を考えないモラルしか持っていないことになる」








(だからこそ、彼らは・・・単純な自分の欲望が止められない・・・。


そして、誰もそれを止めようと言わない・・・。


実際にお酒を飲むのを止めようと言った者は


まだ、1人もいない。それどころか、


樽を開ける前からカップを取りに行っていた・・・)










(C)雨男 2021/12/09 ALL RIGHTS RESERVED






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