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異世界徒然行脚 『Isekai Walking~nothing else to do~』  作者: 雨男
ネクロマンサーVSエルロー辺境伯 3
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警備上やむをえん


 他の警備の者たちも数名出てきた。



中には全身に鎧を付けている『騎士』もいる。



他の者たちが『隊長』と呼んでいる。まんまとかかった。








幸太郎は、こっそり『コール・ゾンビ』を解除。



ゾンビは融けるように消えた。そして、警護の兵士に演技を開始する。





「こ、これは、もしや! ネクロマンサーの使役する


ゾンビではありませんか?!」





「うむ、今、俺たちの目の前で、文字通り消えたな・・・。


ん? そうだ、お前たちはなんだ? ゾンビを倒してくれたようだが・・・。


こんな時間に何をしている?」





「は、はい。あっしらはギブルスの旦那のとこで使ってもらっております。


この酒を、この先にあるジョージ様のお屋敷に届けるように、


と言われまして」





「うう~ん、怪しいな?・・・本当にお前ら、


ギブルスのとこのやつらか? 見ない顔だが・・・」





「な、なんで、あっしらを疑うんですかい?! 


あっしは今、このゾンビを倒しましたし、この酒も、本物ですよ!」








幸太郎は、あえて『怪しく』ふるまった。これでいい。



屋敷の敷地から、さらに数名、外へ出てきた。すでに10名を超えている。



隊長と呼ばれている男が、幸太郎たちへ近づいてきた。





「ふーん。本当にギブルスの使いなのか・・・? うーむ、怪しいな。


もしかしたら、この樽の中にネクロマンサーが潜んでおるやもしれん」





「そ、そんな無茶な! こんな酒の入った樽の中に


人が入れるわけないでしょう?!」





「いやいや、わからんぞ? ネクロマンサーなら


何か怪しい魔法でそれを可能にしているかもなあ? 


うむ、これは警備上止むを得ん。樽の中身をあらためさせてもらう」





「そ、そんなあああ~~~・・・」










(C)雨男 2021/12/09 ALL RIGHTS RESERVED







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