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異世界徒然行脚 『Isekai Walking~nothing else to do~』  作者: 雨男
ネクロマンサーVSエルロー辺境伯 3
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行動開始


 予定の7時が近づいた。ジャンジャックたちは順調に釣れているだろうか?



スマホも無線もないこの世界では、確認のしようがない。



しかし、それはエルロー辺境伯や警備のやつらも同じこと。



情報で相手を振り回すほうが有利なのは間違いない。








幸太郎とモコはフードのついた上着を着る。



これは人狩りから奪ったものだ。



ギブルスの考えたルートを頭に入れたことを確認する。



地図は持っていかない。








この世界の紙は分厚い。しかも、硬い。まだまだ発展途上なのだろう。



携帯には向かない。そして万が一落としたりすると、



その地図からギブルスにたどり着かないとも限らない。



なにせ『コピー』が無いので、どうしても



一枚一枚微妙に違う。ただでさえ危険なことをするのだ。



これ以上不安要素は増やせない。








「じゃあ、行こうか。モコ」





「はい。ご主人様」





「幸太郎。わしは例の地点で使用人を連れて待っておる。幸運を祈るぞ」








行動開始。








幸太郎とモコはエルロー辺境伯の屋敷のそばに近づいた。



モコの耳で周囲に人がいないことを確認する。



ギブルスの言う通り、幸太郎のいる地点は周囲の



建物のドアからも窓からも影になっている。





「・・・なんで、こんな場所をギブルスさんはマークしているんだ?」





「さあ・・・。私にはさっぱり・・・」





もしかしたら、いつの日か、こんな日が来ると



ギブルスは思っていたのかもしれない。










(C)雨男 2021/12/08 ALL RIGHTS RESERVED







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